前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、米長期金利が上昇したことで、下値は限定的となった。ただ、午後に入り、米長期金利が低下に転じたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、ECB専務理事の発言を受けてユーロは一段の下落となる場面もあったが、その後急速に値を戻す動きとなった。
米国市場では、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、JOLTSの求人件数が2021年3月以来の低水準となったことを受けて米金利が低下となり、ドルは一段の下落となった。下げ一服後は、米金利の低下も落ち着いたことや、値頃感の買い戻しもあり反発する場面もあった。
米株式市場では、ISM非製造業景況指数が市場予想を上回り、FRBの政策金利の高止まりが警戒され、主要株価指数は下落して始まった。しかし、米求人件数が冴えない結果となり、利下げ期待が高まると主要株価指数は買い戻しが優勢となった。ただ、米雇用統計の発表を控えた様子見ムードから戻りは限定的となり、ダウはマイナス圏で推移した。一方、ナスダックはプラス圏に回復後は底固い動きが続いた。ダウ平均は、序盤に前日比193ドル安まで下落したものの、その後は一時39ドル安まで下げ幅を縮小した。終盤にやや下げ幅を拡大し、79.88ドル安(-0.22%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、44.42ポイント高(+0.31%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤に発表された11月の東京都区部の消費者物価指数が市場予想を下回ったことを受けて円が売られ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が下落して始まり、前日比504円安まで下げ幅を拡大したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の147.10から147.38まで上昇した後、149.97まで下落した。
(2)ただ、146円台では値頃の買い戻しも入り、値を戻す動きとなった。さらに、五・十日に当たり実需のドル買いが観測されたことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、上値は限定的となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、ECB専務理事が追加利上げの可能性はかなり低いとの見方を示したことを受けてECBの利下げ観測が強まったとの見方が広がり、ユーロは一段の下落となったが、ドイツやユーロ圏のサービス業PMIが市場予想を上回ったことから、ユーロは値を戻す動きも見られた。
(3)米国市場では、米長期金利の低下を受けて、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、JOLTSの求人件数が市場予想の930.0万件を下回る873.3万件と、2021年3月以来の低水準となったことを受けて米金利が急速な低下となり、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の147.24から146.56まで下落した。
(4)下げ一服後は、米金利の低下が落ち着いたことや、値頃感の買い戻しもあり一時147.39まで反発する場面もあった。一方、ECB専務理事の発言を受けて一時下落したユーロは、米国時間に入っても軟調な動きが続き、対ドルでは11/14以来の安値を付けた。
本日のトピックス
米長期金利の指標となる米10年債利回りは、昨日も低下となり、ピークだった10月の4.99%から4.15%まで低下している。この間、FRB当局者のタカ派発言もあったが、マーケットではすでに来年の利下げが意識されており、金利の低下が進んでいる。そして、これに伴いドル/円も高値の151.91から今週の週明けには146.23まで下落している。
昨日の米国市場では、JOLTS求人件数が2021年3月以来の低水準となり、労働市場の鈍化傾向が示されたことから、来年前半の利下げ観測が意識された。そのため、週末の米雇用統計の結果で米国の経済・労働市場の強弱を見極めようと注目されている。
その中で、本日発表予定の11月のADP雇用統計、非農業部門労働生産性も労働市場を見極める上で注目したい指標である。結果次第では、昨日の指標結果を受けて動いた以上の反応となる可能性もあり、注意も必要だろう。
12/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
11月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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12.0万人 | 11.3万人 |
前回は市場予想を下回ったものの、4ヵ月ぶりの上昇で2021年1月以来の低水準となった9月の結果から増加しました。ただ、今年の平均である22.3万人を下回っており、労働者への需要が低下していることが示された。今回は、前月から増加が予想されているものの、依然として今年の平均を下回ると見られている。 |