前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服したことや、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことから、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。下げ一服後は底固い動きとなり、さらに米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された11月の米ISM製造業景況指数が市場予想を下回ると、米金利の低下とともにドルは下落となった。そして、パウエルFRB議長の講演での発言が予想ほどのタカ派ではないと受け止められ、米長期金利が約3ヵ月ぶりの低水準まで低下したことから、ドル主要通貨に対して下落となり、ドル/円は一時146.66まで下落して9/12以来の安値を更新した。
米株式市場では、序盤に発表されたISM製造業景況指数が冴えない結果となり、米長期金利が低下したことを受けて主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、パウエル議長の講演での発言が予想ほどタカ派ではないと受け止められたことも押し上げ要因となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比313ドル高まで上昇した。その後は高値圏を維持したまま394.61ドル高(+0.82%)で終了し、昨年1月以来約1年11ヵ月ぶりの高値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、78.81ポイント高(+0.55%)と、7月以来の高値で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤で値を戻す動きとなった流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、一時前日比89ドル安まで下落したことや、週末を控えたポジション調整の動きもドル円・クロス円の圧迫要因となった。ドル/円は、序盤の148.18から147.60まで下落した。
(2)その後、時間外取引で米長期金利が上昇したことや、日経平均株価がプラス圏を回復したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドル/円は148.31まで値を戻したものの、パウエルFRB議長の発言を控えて様子見ムードが広がっており、その後は上値の重い動きが続いた。また、米長期金利が低下したことも影響し、ドル/円は147.69まで下落したものの、その後は米金利が持ち直したことからドルも底固い動きとなり、ドル/円は148.34まで上昇してこの日の高値を更新した。
(3)米国場では、FRB議長の発言を控えて様子見ムードが広がっており、序盤のドルは限定的な動きとなった。しかし、11月の米ISM製造業景況指数が市場予想の47.8を下回る46.7となったことを受けて、米金利の低下とともにドルは軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の高値148.25から147.34まで下落した。そして、パウエルFRB議長が講演で「適切なら追加引き締めの用意がある」との発言を受けて一時ドル/円は147.85まで反発したものの、その後の発言が予想ほどタカ派ではないと受け止められ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが約3ヵ月ぶりの低水準まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円は146.66まで下落して9/12以来の安値を更新した。
本日のトピックス
先週末は、パウエルFRB議長の発言を受けて米長期金利が低下したこともあり、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円は146.66まで下落して9/12以来の安値を更新した。
今週は、FOMCを来週に控えてFRB高官の発言がFOMC後までないこと(ブラックアウト期間)や、週末に米雇用統計の発表を控えて限定的な動きが見込まれている。ただ、明日から主要な経済指標の発表が続くことから、指標結果に左右される展開も考えられる。そして、今週と来週が年内最後の山場となり、それ以降は例年年末に向けて流動性が低下する時期でもあることから、その分今週と来週に売買が集中することも予想されている。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表もなく新規材料に乏しい中、限定的な動きが予想されている。その一方、前週末の海外市場の流れを受けてドルは軟調な動きが続くとの見方もある。