前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ただ、新規材料に乏しい中でドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きが続いた。また、オセアニア通貨はドルや円に対して堅調な動きとなった。欧州市場では、欧州株や時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、複数のFRB当局者のタカ派発言を受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時148.51まで上昇したが、住宅関連の経済指標が過去最低となったことや、ロンドンフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りが観測されたこともあり、147.72まで下落する場面もあった。しかし、米長期金利が一段の上昇となったことで、ドルは引けにかけて再び堅調な動きとなった。
米株式市場では、米企業の四半期決算の内容が好感されたことや、米消費支出(PCE)物価指数が低下したことを受けて、ダウは序盤から堅調な動きとなった。ただ、一方で米長期金利の上昇が続いたことで、金利動向に敏感なナスダックは上値の重い動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、520.47ドル高(+1.47%)で終了し、終値ベースで昨年1月以来約1年11ヵ月ぶりの高値となった。一方、ナスダックは32.27ポイント安(-0.23%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比160円安まで下落したこともあり、上値の重い動きとなった。ドル/円は、序盤の147.22から146.84まで下落したが、新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価がプラス圏に回復したことや、米長期金利が上昇したものの、マーケットの反応は限定的となり、ドル円・クロス円は引き続き狭いレンジ内の動きとなった。ただ、オセアニア通貨は対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも上昇した。欧州時間に入り、欧州主要株価指数や米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後、ニューヨーク連銀総裁が「抑制的な金融政策はかなりの期間続く」「インフレ圧力が続けば再利上げの可能性も」と発言したことを受けて、米金利の指標となる米10年債利回りが4.262%から1.347%まで上昇となり、ドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の安値の147.22から148.51まで上昇した。
(4)その後、10月の米中古住宅販売仮契約が過去最低となったことや、ロンドンフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りが観測されたこともあり、ドル/円は一時147.72まで下落した。しかし、一服していた米長期金利が一段の上昇となったことで、ドルは引けにかけて再び堅調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外時間で発表された米経済指標では、冴えない結果となったものの、物価関連の指標は鈍化するなど、インフレの鎮静化に向かっていることが示された。ただ、FRB当局者が利上げの可能性を示唆する発言をしたこともあり、米長期金利の上昇が続き、これがドルを押し上げる要因となった。
マーケットでは、すでに追加利上げの可能性はないと見られており、むしろ来年の利下げ時期が焦点となっている。また、それを見越して金利もピークから低下しており、ドルも主要通貨に対して下落しおり、ドル/円は約2週前の151円台から一時146円台まで下落している。ただ、当局者のタカ派寄りの発言が続いており、これがドルの下振れを抑えている。鈍化傾向が示されているインフレだが、依然として目標を上回っていることもあり、楽観視はしないということだろうか。
本日の米国市場では、製造業PMI、ISM製造業景況指数の発表が予定されており結果に注目だが、本日もパウエルFRB議長をはじめ複数のFRB高官の発言が予定されており、FOMCを控えて最後の発言機会となることから、発言の内容にも注目したい。
12/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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47.9 | 46.7 |
前回は市場予想を下回る4ヵ月ぶりの低下となり、自動車業界でのストライキが受注や生産に影響したと見られている。また、製造業の景気拡大・縮小の判断基準となる50を12ヵ月連続で下回っている。今回は、前月から上昇が予想されており、再び改善の兆しが見られるのか注目されている。 |