前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から下落したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、9月以来の安値を付けたが、下げ一服後は値を戻す動きとなった。また、欧州時間では欧州株の上昇や米長期金利の上昇もあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された第3四半期米GDP改定値が市場予想を上回り、速報値から上方修正されたことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、個人消費が下方修正されたことや、コア個人消費支出が2020年12月以来の低水準となったこともあり、上値は限定的となった。さらに、米長期金利が低下に転じたことも加わり、ドルも下落に転じた。
米株式市場では、主要株価指数が上昇して始まったものの、米長期金利の上昇などもあり、序盤は上値の重い動きとなった。その後、米長期金利が低下に転じたことを受けて堅調な動きが見られたものの、利益確定の動きに加え、FRB当局者のタカ派発言が伝わると、終盤にかけて上げ幅を縮小する動きとなった。ダウ平均株価は、上昇して始まったが序盤は上値の重い動きとなった。その後、上げ幅を拡大して前日比162ドル高まで上昇したものの、終盤には下落に転じて一時11ドル安まで下落する場面もあった。ただ、引けにかけてプラス圏を回復して13.44ドル高(+0.04%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、23.27ポイント安(-0.16%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の動きを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。下落して始まった日経平均株価が一時前日比229円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ドル/円は、序盤の147.52から146.67まで下落し、9/12以来の安値となった。
(2)下げ一服後は、値頃感の買い戻しからドル/円は147.32まで値を戻したものの上値は限定的となった。欧州時間では、欧州の主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、低下した米長期金利が上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された第3四半期米GDP改定値が市場予想の5.0%を上回る5.2%となり、速報値の4.9%から上方修正されたことを好感してドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、個人消費が市場予想の4.0%を下回る3.6%となり、速報値の4.0%から下方修正されたことや、FRBが物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)が2020年12月以来の低水準となったこともあり、上値は限定的となった。さらに、米長期金利が低下に転じたことも加わり、ドルも下落に転じた。ドル/円は、序盤の高値の147.91から147.08まで下落した。一方、クロス円も連れ安となった。
本日のトピックス
ドルは、対ユーロで5営業日連続、対円では3営業日連続で下値を切り下げている。対ユーロでは8/10以来、対円では9/12以来の安値を更新するなど、ドルの下落が止まらない。その後、値を戻したものの、東京時間では再び軟調な動きとなっている。
マーケットでは、欧米英の来年の利下げの時期が注目されており、これが通貨の上値を圧迫している。ただ、いずれもインフレ率が中銀の目標を上回っていることから、当局者の発言もややタカ派よりにならざるを得ない。そのため、思惑が交錯する展開となりやすく、神経質な展開も予想されている。
本日の海外市場では、ドイツの雇用統計や、ユーロ圏の消費者物価指数、米個人支出、PCEデフレーター、新規失業保険申請件数など重要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目されている。そして、昨日も米GDPは上方修正されたものの、米長期金利の動きなどの影響もあり、ドルの上昇が一時的となったこともあり、金利動向にも注目したい。さらに、金融当局者の発言にも注目したい。
11/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(11/25までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.8万件 | 20.9万件 |
前回は市場予想を大幅に下回り、10/13までの週以来の低水準まで改善した。一方、継続受給者数は9/8までの週以来の減少となった。労働市場の鈍化傾向が見られる中で、年末に向けて需要が高まりつつあることが示された。今回は、前週から増加が予想されているが、引き続き堅調さが示されるのか注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
10月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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-1.0% | 1.1% |
前回は市場予想を上回り、1月以来の高水準となったものの、依然として過去最低近辺に留まっており、住宅ローン金利の上昇などが影響していることが示された。今回は、マイナスが予想されており、特に住宅ローン金利が10月に一段の上昇となっていることもあり、引き続き低下が見込まれている。 |