前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことや、人民元が対ドルで上昇したこと受けて、ドルは対円でも軟調な動きとなり、クロス円も軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル円・クロス円は下落となった。その後、値を戻す場面もあったが、再び円買いが強まるとドル円・クロス円は一段の下落となる場面もあった。
米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その後、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、さらにFOMCの議事要旨でインフレの改善が不十分であれば追加の引き締めが適切になるとの見解が示されたことも押し上げ要因となった。
米株式市場では、小売業で業績見通しが引き下げられたことが嫌気され、消費の先行き懸念から主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米感謝祭を前にポジション調整の売りも入り、終盤まで上値の重い動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比112ドル安まで下落した。その後も上値の重い動きが続き、62.75ドル安(-0.18%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、84.55ポイント安(-0.59%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は小動きの展開で始まった。その後、序盤に前日比72円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じて133円安まで下落し、さらに中国人民銀行が元の対ドル基準値を8/7日以来の元高水準とするなど元高誘導の姿勢を強めたことから、人民元がドルに対して上昇となり、ドルは対円でも序盤の148.42から147.87まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価がプラス圏を回復する動きとなったものの、時間外取引で米長期金利の低下が続いたこともあり、ドル/円は147.25まで下落した。一方、クロス円もドル/円の下落に連れ安となった。下げ一服後、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなり、ドル/円は147.82まで上昇した。しかし、その後再び円買いが強まると、ドル円・クロス円は一段の下落となり、ドル/円は147.15まで下落して9/14以来の安値を更新する場面もあった。
(3)米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。新規材料に乏しい中、FOMC議事要旨を見極めたいとの様子見ムードもあった。その後、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、さらに米10年物TIPS(インフレ連動債)の入札が低調となり米金利が上昇したことや、FOMCの議事要旨でインフレの改善が不十分であれば追加の引き締めが適切になるとの見解が示されたことも押し上げ要因となった。ドル/円は、序盤の147.35から148.60まで上昇した。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、米金利上昇を受けてドルは堅調な動きが続いた。さらに、FOMCの議事要旨で状況によって追加利上げの可能性があるとの見解が示されたこともも支援材料となった。ただ、金利先物市場は、年内の0.25%の利上げの折り込み度合いが5%弱に留まっており、マーケットでは年内の利上げはないと見ていることが示された。
引き続き、米金利の上昇が続けばドルの上昇も考えられるが、マーケットでの利上げサイクルの終了観測が根強いことから、上値は限定的と見られている。ただ、下値も堅い動きが続くと見られており、新たな材料待ちの展開と見られている。
本日の海外市場では、新規失業保険申請件数、耐久財受注、ミシガン大学消費者信頼感指数など注目される経済指標の発表が予定されているが、米感謝祭を翌日に控えて市場参加者が少なくなると見られており、市場予想から大きく乖離する結果とならない限り、反応は限定的と見られており、狭いレンジ内の動きを予想する向きもある。
11/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(11/18までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
22.7万件 | 23.1万件 |
前回は市場予想を上回り、8/25までの週以来の高水準となった。一方、失業保険継続受給者数は2年ぶりの高水準となり、失業者が新たな仕事につき難い状況であることが示された。今回は、前週から減少が予想されているが、ここまで8週連続の増加で2021年11月以来の高水準となっている継続受給者数の結果に注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
|
61.0 | 60.4 |
前回の続報地は市場予想を下回り、4ヵ月連続の低下となり、家計に対する見方はやや改善したものの、経済の見通しなどの指数が悪化した。1年先の期待インフレ率は4月以来の高水準となった。今回の確報値は、速報から上方修正が予想されており、期待インフレ率も修正されるのか注目されている。 |