前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時800円超上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、先週末の米雇用統計が冴えない結果となり、FRBの追加利上げ観測が後退したこともあり、ドルの上値は限定的だった。
米国市場では、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時150.06まで上昇したが、FRBの利上げサイクル終了の思惑が強まっていることもあり、積極的に上値を押し上げる動きとはならなかった。
米株式市場では、FRBの利上げサイクル終了の思惑が強まったことで米景気の先行きへの期待が高まり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、前週末まで上昇が続いたこともあり、その後は利益確定売りが優勢となり、一時マイナス圏まで下落する場面もあった。また、米長期金利が上昇したことも圧迫要因となった。ただ、下げ一服後は持ち直し、主要株価指数はプラス圏を回復して終了した。ダウ平均株価は、序盤に前日比105ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時71ドル安まで下落する場面もあった。ただ、引けにかけて再び堅調な動きとなり、34.54ドル高(0.10%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは40.50ポイント高(0.30%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末の米雇用統計の結果を受けて下落したドル/円の軟調な動きが一服し、ドル/円は序盤から底固い動きとなった。さらに、日経平均株価が810円超上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の149.32から149.67まで上昇した。
(2)新規材料に乏しい中、午後に入り、日経平均株価の上昇が一服したものの、高値圏で推移したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.599%から4.666%まで上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の149.68から150.06まで上昇したが、FRBの利上げサイクル終了の思惑が強まっていることもあり、積極的に上値を押し上げる動きとはならなかった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きとなったこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、米長期金利の上昇に伴いドルが主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は150円台乗せとなった。ただ、アジア時間に入るとやや上値の重い動きとなっている。先週末の米雇用統計が冴えない結果となったことで、FRBの利上げサイクルが終了するとの思惑が交錯していることがドルの圧迫要因となっている。そのため、来週14日の米消費者物指数の結果が注目されており、それまでは上値は限定的との見方もある。
ただ、その中で今週は主末まで複数のFRB高官の発言が予定されていることから、発言の内容に注目したい。本日の米国市場では、9月の米貿易収支と、複数のFRB高官の発言が予定されており、発言の内容が注目されている。
11/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
9月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-600億USD | -583億USD |
前回は市場予想を上回り、赤字額は2020年9月以来の低水準となった。輸入額が減少した半面、輸出額が増加となったことが影響した。国内需要が軟化していることに加え、借り入れコストの急速な上昇が影響してさらに赤字額の縮小を予想する向きもある。 |