前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなったものの、日米の金融政策発表を控えて積極的には動き難く、限定的な動きとなった。上昇一服後は上値の重い動きとなり、欧州時間にかけてドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、欧州時間では米長期金利が上昇に転じたことで円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。しかし、「日銀がYCCの再修正を議論し、1%を一定程度超える金利上昇を容認する可能性」との報道を受けて円買いが優勢となった。ドル円・クロス円は軒並み下落となり、ドル/円は序盤の149.85から148.81まで下落した。ただ、下げ一服後は値を戻したものの、上値は限定的だった。
米株式市場では、先週末まで下落が続いたことから、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米国のFOMCや雇用統計などの重要なイベントを控えたポジション調整の買いも押し上げに寄与した。ダウ平均は、序盤から堅調な動きが続き、一時前週末比585ドル高まで上昇した。ただ、引けにかけて上げ幅を縮小し、511.37ドル高(+1.58%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、146.47ポイント高(+1.16%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が序盤から400円超下落したものの、時間外取引で米長期金利が上昇したこともあり、底固い動きとなった。また、仲値公示にかけてドル買いが観測されたものの売買は少なく、仲値通過後は株安などが改めて意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)午後に入ってもドル円・クロス円は上値の重い動きが続き、さらに米長期金利が低下幅を拡大したことから、ドル/円は一時149.28まで下落した。その後、下げ一服後に米長期金利が上昇に転じたことから、ドル/円は堅調な動きとなり、クロス円も堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表もなく新規材料に乏しい中、欧州時間から米長期金利の上昇が続いたことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。しかし、日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)の再修正を議論し、現在1%としている長期金利の上限を柔軟にし、1%を超える金利上昇を一定程度容認する案が有力との報道を受けて円買いが優勢となった。ドル円・クロス円は軒並み下落となり、ドル/円は序盤の149.85から148.81まで下落した。ただ、下げ一服後に149.17まで値を戻したものの、上値は限定的だった。
本日のトピックス
昨日の海外時間に、日銀がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の再修正を議論するととの報道を受けて円買いが強まり、ドル円・クロス円は下落となったことを受けて、日銀の金融政策発表の注目が集まっている。マーケットでは、一部でイールドカーブ・コントロールの撤廃を予想する向きもあり思惑が交錯していることから、政策発表やその後の植田日銀総裁の会見での発言に注目が集まっており、それまでは限定的な動きが続くと見られている。
海外時間では、ユーロ圏の第3四半期GDPや10月の消費者物価指数の発表が予定されており、ユーロ圏の景気懸念が出ているだけに、GDPの結果などが注目されている。また、米国時間では10月の米消費者信頼感指数の発表が予定されており、このところ消費者マインドの低下傾向が指摘されていることから、こちらの結果にも注目したい。ただ、FOMCを控えていることもあり、反応は限定的と見られている
10/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
10月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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100.0 | 103.0 |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月連続の低下で4ヵ月ぶりの低水準となった。ビジネスと雇用の見通しが悪化したことが影響した。また、現況指数は小幅上昇したものの、期待指数はリセッション入りを示唆するとされる80を4ヵ月ぶりに下回った。今回は、前月から小幅低下が予想されており、引き続き期待指数がリセッション入りを示唆する水準が続くのか注目したい。 |