前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となり、特にドル/円は為替介入への警戒感から、上値の重い動きとなった。その後は、週末のポジション調整の売りなども観測され、欧州時間に入ってもドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米PCEコア・デフレーターが予想通り前月から低下したこと受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、イスラエルとハマスが停戦に向けて交渉との報道を受けて、中東情勢の緊迫化懸念が緩和したことでリスク回避の動きが和らいだ。しかし、イスラエル軍の報道官が地上作戦を拡大すると表明すると、停戦に向けた期待感が後退し、再びリスク回避の動きが強まった。
米株式市場では、イスラエルとハマスが停戦に向けて交渉との報道を受けて中東情勢の緊迫化が和らぐとの期待感があったが、イスラエル軍報道官が地上作戦を拡大すると表明したことで中東情勢がさらに悪化するとの見方が広がり、リスク回避の売りが優勢となった。ダウ平均は、序盤から軟調な動きが続き、一時前日比457ドル安まで下落した。引けにかけては値を戻し、366.71ドル安(-1.12%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、ハイテク大手の決算が予想を上回ったことや、米長期金利の低下を受けて序盤から堅調な動きとなった。終盤に上げ幅を縮小したものの、47.40ポイント高(+0.38%)とラス圏を維持して終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドルが序盤から狭いレンジ内の動きとなり、ドル/円は150円台で日本政府・日銀の為替介入への警戒感は依然として根強く、限定的な動きとなった。その後、ドル/円はやや軟調な動きとなり、序盤の高値150.41から150.08まで下落した。一方、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり470円超上昇したこともあり、クロス円は底固い動きとなった。欧州時間に入り、米長期金利が低下したこともあり、ドルは上値の重い動きとなり、ドル/円の動きにクロス円も上値の重い動きとなった。
(2)米国市場では、FRBがインフレ指標として重視している9月の米PCEコア・デフレーターが予想通り3.7%と前月の3.8%から低下したこと受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、イスラエルとハマスが停戦に向けて交渉との報道を受けて、中東情勢の緊迫化懸念が緩和したことで、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して堅調な動きとなった。しかし、その後イスラエル軍の報道官が地上作戦を拡大すると表明すると停戦に向けた期待感が後退し、再びリスク回避の動きが強まった。ドル/円は、米長期金利の低下も加わり、序盤の高値150.09から149.46まで下落した。
本日のトピックス
今週は、31日に日銀、11/1にFRB、11/2に英中銀の金融政策発表が予定されている。いずれも政策金利の据え置きが予想されており、予想通りの結果なら引き続き日本と主要国の金利差が意識されて円安の展開が予想されている。ただ、政府・日銀の為替介入への警戒感も根強いことから、150円台近辺では神経質な展開も予想されている。また、中東情勢の不透明感がリスク回避の動きを高めているが、停戦に向けた交渉が進展するのか、情勢がさらに悪化するのか注目されている。
本日は、ユーロ圏の消費者信頼感指数や、ドイツの消費者物価指数の発表が予定されているが、米国の主要な経済指標の発表がないことや、金融政策発表を控えていることから、積極的に動きにくいと見られており、限定的な動きが予想されている。