前営業日トピックス
東京市場では、序盤に330円超下落した日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。午後には、さらに下げ幅を縮小して一時1円安まで回復したものの、米長期金利が低下したこともあり、ドルの上値は限定的となり、ドル/円は狭いレンジ内の動きが続いた。欧州時間では、ドル買いが進んでドル/円が一時149.99まで上昇したが、政府・日銀の為替介入が意識されて円買いが強まり、急速に下落する動きとなった。しかし、下げは一時的となり、すぐに値を戻した。
米国市場では、新規材料に乏しい中、米長期金利が上昇したことから、ドルも堅調な動きとなり、一時149.99まで上昇した。しかし、日本の政府・日銀の為替介入に対する警戒感が意識されたことや、FRB高官が「FRBは利上げサイクルのピークかそれに近い状態にある」との発言もあり、ドル/円は149.78まで下落する場面もあったが、下値は限定的となった。
米株式市場では、中東情勢の緊迫感が一段と高まったことから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、FRBによる利上げ長期化観測も圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きが続き、終盤に一時前日比296ドル安まで下落した。引けにかけて安値圏を維持したまま、286.89ドル安(-0.86%)で終了、終値ベースで10/5以来の安値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは202.36ポイント安(-1.53%)で終了、終値ベースで5/31以来の安値となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が序盤に前日比336円安まで下落したものの、その後は下げ幅を97円安まで縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。ドル/円は、序盤の149.75から149.94まで上昇したものの、前日の海外時間に付けた149.96には届かなかった。その後、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル/円は上値の重い動きとなり149.83まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価がさらに下げ幅を縮小し、一時1円安まで値を戻したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、値動きは限定的となり、ドル/円は上下15銭程度の動きとなった。欧州時間では、ドルが買われてドル/円は一時149.99まで上昇すると、日本の政府・日銀の為替介入を警戒してまとまった売りが入り、一時149.66まで下落する場面もあった。ただ、下げは一時的となり、急速に値を戻した。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米10年債利回りが4.992%まで上昇したことから、ドル/円も序盤の149.93から149.99まで上昇し、欧州時間に付けた高値と面合わせとなった。ただ、欧州時間と同様に上値の重い動きとなった。さらに、クリーブランド連銀総裁が「FRBは利上げサイクルのピークかそれに近い状態にある」との発言もあり、米10年債利回りが4.890%まで低下したことも影響し、ドル/円は149.78まで下落する場面もあった。ただ、引けにかけては149.80台での狭いレンジ内の展開が続いた。
本日のトピックス
先週末に、ドル/円は欧州時間と米国時間にそれぞれ149.99まで上昇したものの、日本政府・日銀の為替介入ラインとされる150円台が意識されて円買いが入るなど、上値の重い動きとなった。
来週31日に日銀の金融政策決定会合、11/1にFOMCの結果発表、3日に米雇用統計と重要なイベントが予定されており、また主要な米経済指標の発表も予定されている。そのため、今週は積極的に動きにくい状況であり、ポジションを傾け難いと予想されている。ただ、その中で中東情勢の不透明感(イランの介入など)も高まっており、状況次第ではリスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。ただ、原油価格の上昇となる場合には、日本経済への影響が高まる可能性もあり、円安や株安に振れる可能性もあり、注意が必要となるだろう。
本日は、主要な経済指標の発表がないことや、週明けであることから、150円近辺では為替介入に対する警戒感から上値が抑えられ、148円台では底固い動きとなる展開が引き続き予想されている。