前営業日トピックス
アジア市場では、東京市場が休場となり市場参加者が少なく、序盤から限定的な動きとなった。朝方、ドル円・クロス円はリスク回避の動きから下落して始まったものの、値動きは一時的だった。その後は、狭いレンジ内の動きが続いた。
米国市場では、コロンブスデーの祝日のため一部市場が休場となる中、中東の地政学リスクが意識されてリスク回避の円買いが優勢となった。さらに、ダラス連銀総裁が「米長期金利の上昇は追加利上げの必要性を減らす可能性がある」との見方を示したこともドルの圧迫要因となった。下げ一服後は値を戻し物の、FRB副議長のハト派発言を受けて再びドルが売られた。
米株式市場では、中東情勢の緊迫化を背景にリスク回避の売りが先行した。ただ、下げ一服後はFRB高官のハト派発言が相次いだことから、FRBの金融引き締め長期化への過度な警戒感が後退し、主要株価指数は買いが優勢となった。ダウ平均株価は、序盤に週末比153ドル安まで下落したものの、その後は買いが優勢となり、終盤には224ドル高まで上昇した。引けにかけてやや上げ幅を縮小し、197.07ドル高(+0.59%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、52.90ポイント高(+0.39%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けのアジア市場では、中東情勢の緊迫化を背景にリスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円はギャップダウンして始まった。その後、東京市場が休場で市場参加者が少ない中、リスク回避の動きが一服して値を戻す動きとなったものの新規材料に乏しく、限定的な動きが続いた。ドル/円は、149.08から149.22での狭いレンジ内の動きが続いた。一方、欧州時間にラトビア中銀総裁が「大幅な利上げサイクルは終了している」との見解を示したことなどもあり、ユーロは軟調な動きとなった。
(2)米国市場では、コロンブスデーの祝日のため一部市場が休場となる中、中東の地政学リスクが意識されてリスク回避の円買いが優勢 となった。さらに、タカ派として知られるダラス連銀総裁が「米長期金利の上昇は追加利上げの必要性を減らす可能性がある」との見方を示したこともドルの圧迫要因となった。ドル/円は、序盤の149.18から148.52まで下落したものの、下げ一服後は148.78まで値を戻した。しかし、ジェファーソンFRB副議長が「利回り上昇の引き締めへの影響に留意」としたことから再びドルが売られ、ドル/円は148.44まで下落した。
本日のトピックス
東京市場では、時間外取引で米長期金利が先週末から大幅低下して始まったことから、ドルは序盤に軟調な動きとなった。ただ、米長期金利が持ち直したことや、日経平均株価が600円超上昇したことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。ただ、中東情勢の緊迫化もあり、引き続きリスク回避が意識される展開が続くと見られている。その中で、停戦に向かう可能性との一部報道もあり、中東の情勢に注目したい。
今週12日に米国の消費者物価指数の発表が予定されており、昨日の米当局者のハト派的な発言などもあり、結果を見極めたいとの思惑が強まっている。そのため、徐々に様子見ムードが強まる可能性も考えられ、発表までは限定的な動きが続くとの見方もある。
本日の米国市場では、重要な経済指標の発表がないことから、株式市場や債券市場の動きに左右される展開が考えられる。