前営業日トピックス
前日の海外市場で大幅下落後に値を戻したものの、その後に上値の重い動きとなった流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。米長期金利が上昇したものの、日経平均株価が大きく下落したことから、ドル円・クロス円は方向感の乏しい動きとなった。欧州時間には、米長期金利が低下に転じたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された9月の米ADP雇用統計で雇用者数の伸び幅が予想以上に縮小したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったものの、米長期金利の低下が続いたこともあり、上値も限定的となった。ドル/円は、上下35銭の狭いレンジ内の動きが続いた。
米株式市場では、序盤に発表された9月の米ADP雇用統計が市場予想を下回ったことで、FRBの利上げ長期化に対する過度な警戒感が後退し、主要株価指数は序盤から底固い動きとなった。ダウ平均株価は、労働市場の鈍化を受けて序盤に一時前日比129ドル安まで下落したものの、その後は底固い動きが続き、127.17ドル高(+0.39%)で終了した。ナスダックは、金利の低下に敏感に反応して上げ幅を拡大し、176.54ポイント高(1.35%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場後半の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。海外時間で150円台乗せとなった後に、まとまった円買いのフローから急速な円高となったことで、為替介入の思惑が強まった。しかし、神田財務官は為替介入の有無についてコメントを差し控えるとしたことで、介入実施か否かの判断は困難だが、警戒感が強まり方向性に乏しい動きとなった。一方、日経平均株価が序盤から大幅下落となったことも上値の圧迫要因となった。
(2)午後に入っても、上値の重い動きが続き、狭いレンジ内の動きが続いた。新規材料に乏しく、海外時間に予定されているADP雇用統計や、米ISM非製造業景況指数の発表待ちのとなった。ただ、欧州時間では、上昇していた米長期金利が低下に転じたことから、ドルは主要通貨に対して下落した。
(3)米国市場では、序盤に発表された9月の米ADP雇用統計で、雇用者数の伸び幅が市場予想の15.0万人を大幅に下回る8.9万人となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の高値149.13から148.80まで下落したものの、下値は限定的だった。その後、ISM非製造業景況指数が市場予想の53.5を上回る53.6となったものの、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.879%から4.720%まで低下したこともあり、上値も限定的となった。ドル/円は、上下35銭の狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
ドル/円は、150円台近辺では政府・日銀の為替介入警戒感が強く、148円台中盤から下では日米金利差拡大観測から底固い動きが続いており、昨日は1日を通してレンジ内の動きが続いた。昨日の米国時間では、ADP雇用統計が大幅な伸び幅の低下となったものの、下値は限定的だった。週末の米雇用統計と大きく乖離する結果となることもあり、参考程度と位置付けられていることが影響している可能性もあるが、レンジを抜けるほどの積極的な売りや買いを入れにくい状況であることが要因か。
週末の米雇用統計の発表を控えた様子見ムードもあり、本日も引き続きレンジ内の動きが続く可能性が予想されている。米国市場では、米新規失業保険申請件数、米貿易収支の発表が予定されているが、前日同様にマーケットの反応は限定的と見られている。ただ、その中で昨日の海外時間で米長期金利の低下が続いたが、さらに低下が続くのか、持ち直すのか注目される。
10/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(9/30までの週) ![]()
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.0万件 | 20.4万件 |
前回が市場予想を下回ったものの、1/27までの週以来の低水準まで改善した前週の結果から小幅増加となった。ただ、過去2年間の平均の22.8万件を下回っており、労働市場の健全さが続いていることが示された。今回は、前週から更に増加が予想されているものの、依然として平均より低い水準を維持することから、健全性が維持されると見られている。 |