前営業日トピックス
東京市場では、日本の長期金利の上昇や日経平均株価が下落したことから、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は米長期金利が上昇したことから、ドル/円は堅調な動きとなり、クロス円も底固い動きとなった。欧州時間では、ドルが主要通貨に対して下落となり、対ドルで上昇したユーロやポンドなどは対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利の上昇を背景に、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、147.66から147.84まで上昇したものの、米長期金利が一服となるとドル/円も147.63まで下落した。しかし、その後に米長期金利が再び上昇したことに伴い、ドル/円も147.92まで上昇した。一方、ユーロは序盤対ドルなどで堅調な動きが見られたものの、その後はドルや円に対して軟調な動きとなった。
米株式市場では、原油価格の上昇に伴うインフレ再燃への警戒感や、米長期金利が上昇したことを受けて、主要株株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は底固い動きとなり、終盤にかけて下げ幅を縮小する動きとなった。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比312ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小し、106.57ドル安(-0.31%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、32.05ポイント安(-0.23%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から300円超下落したことや、日本の長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は序盤軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の高値147.65から147.50まで下落したものの、その後は時間外取引きで米長期金利が上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。また仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも影響した。
(2)午後に入り、米長期金利が一段の上昇となったことから、ドル/円は一段の上昇となり一時147.89まで上昇し、クロス円も底固い動きとなった。しかし、上昇一服後は、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、欧州時間には欧州通貨や資源国通貨が対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された8月の米住宅着工件数が市場予想の143.9万件を大幅に下回る128.3万件となり、2020年6月以来3年2ヵ月ぶりの低水準となったが、建設許可件数が市場予想の144.0万件を上回る154.3万件と2022年10月以来の高水準となるなど、まちまちの結果となった。ただ、米長期金利の上昇を背景にドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の147.66から147.84まで上昇したものの、米長期金利が一服となり低下に転じると、ドル/円も147.63まで下落した。
(4)米10年債利回りが8月以来の高水準となる4.36%まで上昇するなど、米金利が再び上昇したことに伴い、ドル/円も147.92まで上昇した。一方、ユーロは序盤対ドルなどで堅調な動きが見られたものの、その後はドルや円に対して軟調な動きとなった。
本日のトピックス
本日、米国時間にFOMCの結果発表が予定されており、発表までは限定的な動きが予想されている。マーケットでは、FF金利の誘導目標の据え置きがコンセンサスとなっているが、年内あと1回の利上げ期待も根強いことから、声明やパウエルFRB議長の会見での発言が注目されている。利上げの可能性を連想させる発言があるのか、ないのか、また利下げの時期などに関する発言には敏感に反応する可能性も考えられる。
追加利上げの可能性を示唆したと受け止められる場合には、金利の上昇を伴いドルの一段の上昇となる可能性が考えられる。ただ、政府・日銀の為替介入に対する警戒感が高まることも予想されることから、上昇局面では高値を警戒する動きも予想される。特に、イエレン米財務長官が日本の円買い介入に対する理解は状況次第と発言していることから、水面下の事前協議次第で容認する可能性との報道もあるため、マーケットはドル/円の上昇にはやや神経質になる可能性も考えられる。