前営業日トピックス
東京市場では、前日に発表された米経済指標が冴えない結果となり、労働市場の過熱感が和らいだことが引き続き意識され、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも圧迫要因となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後には、日経平均株価が上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きが見られたものの、上値は限定的となり、その後も小動きの展開が続いた。
米国市場では、米経済指標が強弱まちまちの結果となったものの、米PCEコア・デフレーターが前月から伸び幅が拡大したことや、米新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことから、ドルは底固い動きとなった。しかし、その後はロンドン・フィキシングに絡むドル売り・円買いが観測され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米株式市場では、米PCEデフレーターが予想通りの結果となったことや、FRBの追加利上げ観測が後退していることから、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。その後は、週明けから上昇が続いることに加え、米雇用統計の発表を控えたポジション調整の動きもあり、主要株価指数はマイナス圏まで落ち込んだ。ただ、ナスダックはその後プラス圏を回復して底固い動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比179ドル高まで上昇した。その後は下落に転じて軟調な動きが続き、168.33ドル安(-0.48%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは15.66ポイント高(+0.11%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ただ、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことから、底固い動きとなる場面もあったが、時間外取引で米長期金利が低下したこともあり、ドルは主要通貨に対して下落し、ドル/円は序盤の146.23から145.75まで下落した。一方、海外時間にユーロが対円で2008年8月以来の高値を更新したこともあり、利益確定の動きなどからユーロ/円も軟調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比359円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米雇用統計の発表を控えて積極的な売買が手控えられたこともあり、限定的な動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された米経済指標が強弱まちまちの結果となり、発表直後にドルは下振れとなる場面もあったが、米PCEコア・デフレーターが前月の4.1%から4.2%に伸び幅が拡大したことや、米新規失業保険申請件数が市場予想の23.5万件から22.8万件と減少したことから、ドルは底固い動きとなった。さらに、8月のシカゴ購買部協会景気指数が市場予想の44.1を上回る48.7となり、1年ぶりの高水準となったことを受けてドルは上げ幅を拡大し、ドル/円は序盤の安値145.63から146.23まで上昇した。
(4)ドル/円は、東京時間に付けた高値の146.29に届かなかったことからやや上値の重い動きとなり、さらにロンドン・フィキシングに絡むドル売り・円買いが観測され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、さらに米長期金利の低下も加わり、ドル/円は高値の146.23から145.35まで下落する動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、米雇用統計の発表を控えたポジション調整の動きもあったことから、米雇用統計の発表までは限定的な動きが予想されているが、引き続き米金利の動きが出る場合には、その動きに影響を受ける可能性も考えられる。
今回の雇用統計では、ここまで発表された雇用関連の経済指標が強弱まちまちの結果となったことから、雇用統計の予想が難しくなっている。市場予想では、非農業部門雇用者数が引き続き+20万人を割り込むと予想されているが、+20万人を割り込むのかどうかに注目したい。また、このところ、過去2ヵ月分の修正分の結果にマーケットが反応していることから、修正分も含めた実質の伸びに注目したい。
9/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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17.0万人 | 18.7万人 |
前回は、市場予想を下回り労働市場の鈍化傾向が示された。今回は、ここまで発表された雇用関連の経済指標がまちまちの結果となる中、労働市場の過熱感が和らいだとの見方も広がっており、雇用者数の伸びもやや鈍化すると予想されている。 |