前営業日トピックス
東京市場では、序盤に前週末に付けた昨年11月以来の146.63に迫る146.62まで上昇したものの、上抜けとはならなかった。その後は、日経平均株価が大きく上昇したものの、米10年債利回りが低下したこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことや、日経平均株価の上昇を受けて、対円でも堅調な動きが続いた。欧州時間では、欧州主要株価指数が軒並み上昇したことや、低下していた米金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に米長期金利が低下したことを受けて、ドルは上値の重い動きとなった。その後、米長期金利が持ち直したことや、米主要株価指数が軒並み堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米2年債入札が好調な結果となり、米債利回りが低下したことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、先週末のパウエルFRB議長の講演での発言を受けて、マーケットではFRBの利上げ長期化に対する過度な警戒感が後退していることや、中国が株価対策を発表したことも下支え要因となり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比306ドル高まで上昇した。その後はやや上値の重い動きが続き、213.08ドル高(+0.62%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、114.48ポイント高(+0.84%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の146.41から146.62まで上昇したものの、前週末に付けた2022年11/9以来の高値の146.63には届かずに失速した。その後、日経平均株価が上昇して始まり、前日比425円高まで上昇したことから、リスク選好の動きからクロス円は堅調な動きとなったが、ドル/円は時間外取引で米長期金利が低下したことから、146.40まで下げるなど、上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大して548円高まで上昇したこともあり、クロス円は一段の上昇となったが、米長期金利の低下が続いたことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、対円でも上値の重い動きが続いた。しかし、欧州時間に入り米長期金利が持ち直したことからドルは堅調な動きとなり、一方序盤から欧州株が軒並み上昇したことから、クロス円も堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に米長期金利が低下したことを受けて、ドルは上値の重い動きとなった。その後、米長期金利が持ち直したことや、米主要株価指数が軒並み堅調な動きとなったこと、また8月のダラス連銀製造業活動指数が予想以上に改善したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の安値の146.41から146.74まで上昇し、昨年11/9以来の高値を更新した。ただ、米2年債入札が好調な結果となり、米債利回りが軒並み低下したことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、ドル/円は146.36まで下落するなど、終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、ドル/円が年初来高値を更新する場面もあったが、主要な経済指標の発表がないことや、週末に米雇用統計の発表を控えていることもあり、限定的な動きとなった。その中で、米金利の動きにドルは左右される動きとなっており、引き続き米金利の動向には注目したい。
本日の米国市場では、8月の消費者信頼感指数、7月のJOLT求人件数の発表が予定されており、結果が注目されている。特に、米雇用統計に注目が集まる中で、米当局者が求人件数の減少を指摘していたが、労働市場の逼迫が解消に向かうのかどうか注目されている。指標結果を受けて、米金利が敏感に反応する可能性もあり、マーケットの反応に注目したい。
8/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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116.2 | 117.0 |
前回は市場予想を上回り、2ヵ月連続の上昇で2021年7月以来の高水準となった。現況指数が2020年3月以来、期待指数が2022年1月以来の高水準となった。堅調な労働市場とインフレ緩和が影響した。今回は前月から低下が予想されているものの、消費者の楽観的な見方が続くと見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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945.0万件 | 958.2万件 |
前月化市場予想を下回り、2ヵ月連続の減少となり、2021年4月以来の低水準となった。ただ、依然として高水準が続いており、老ドル以上は引き続き堅調だが、需要が軟化傾向であることが示された。今回は、前月から減少が予想されており、更なる需要の減速が示されると見られている。 |