前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が序盤から550円超下落したことから、リスク回避の動きが強まり一時下落する場面もあったが、米長期金利が上昇したことから、ドルは再び堅調な動きとなった。ただ、欧州通貨や資源国通貨は、日経平均株価の下落や対ドルでの下落を受けて、対円でも軟調な動きとなった。その後はパウエルFRB議長の講演での発言内容を見極めたいとの様子見ムードも強まり、限定的な動きが続いた。
米国市場では、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議での講演での発言したことを受けて、ドルはやや乱高下する動きとなった。ドル/円は、145.72まで下落したものの、その後は146.63まで上昇した。ただ、上昇一服後は再び下落したものの、終盤まで底固い動きが続いた。
米株式市場では、序盤から堅調な動きとなったものの、パウエルFRB議長が「必要ならば追加利上げの用意がある」と発言したことを受けて売りが優勢となり、主要株価指数は軒並みマイナス圏まで下落した。ただ、下げ一服後は再び買い戻しが優勢となったことや、依然として利上げサイクルの終了が近いとの見方もあり、終盤まで堅調な動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤に前日比252ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時70ドル安まで下落した。ただ、その後は再び堅調な動きが続き、247.48ドル高(+0.73%)終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、126.68ポイント高(0.94%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の145.79から146.08まで上昇した。ただ、日経平均株価が序盤から大幅下落となり、前日比557円安まで下落したことを受けて、ドル円・クロス円は下落に転じ、ドル/円は145.91まで下落した。
(2)下げ一服後は、時間外取引で米長期金利が上昇したことで、ドルは再び上昇に転じ、ドル/円は146.26まで上昇したものの、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。ただ、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を控えて様子見ムードも強まっており、限定的な動きが続いた。
(3)米国市場では、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議での講演で「追加利上げの是非は慎重に進めていく」と発言したことに加え、ミシガン大学消費者信頼感指数が冴えない結果となったことから、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。しかし、その後「追加利上げは適切な場合に実施する用意がある」「インフレが持続的に鈍化するまで金融引き締めを維持する」としたことで、4.198%まで低下していた米10年債利回りが4.282%まで上昇するなど、米金利が軒並み上昇に転じたことからドル買いが優勢となった。ドル/円は、講演直前の146.12から一時145.72まで下落したものの、その後は146.63まで上昇した。
(4)ただ、上昇一服後にドル/円は146.20まで下げたものの、終盤まで底固い動きが続いた。一方、クロス円は序盤対ドルでの下落を受けて軟調な動きとなったものの、その後はドル/円の上昇や、米主要株価指数が上昇したことを受けて、終盤まで堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
先週末は、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演での発言に敏感に反応して、ドルはやや乱高下する場面もあった。講演では、強弱織り交ぜた発言となったが、依然としてタカ派、ハト派どちらかに偏る状況ではく、バランスを取った発言と受け止められた。そのため、発言を受けて金利先物市場では、9月の利上げや年内の利上げの折り込み度合いは特段の変化が見られなかった。むしろ、9月のFOMCを見る上で雇用統計や消費者物価指数の結果を見極めたいとの見方が強まっている。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がないことから限定的な動きが予想される。ただ、明日から週末にかけて主要な米経済指標の発表が続くことから、指標の結果ごとに動きが出る可能性も考えられる。