前営業日トピックス
週明けの東京市場では、新規材料に乏しくドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後、中国経済の先行き不透明感を背景に、人民元が下落したことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は序盤の145.15から145.63まで上昇した。その後、ドル円・クロス円は下落したものの、底固い動きとなり、欧州市場では再び堅調な動きとなった。
米国市場では、米国の経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利が上昇したことに伴い、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時146.40まで上昇したものの、年初来高値の146.57には届かなかった。その後は、ポジション調整などの動きもあり、ドル/円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、FRBの利上げ長期化観測を背景に米金利が上昇したことを受けて、ダウ平均は序盤から軟調な動きとなった。前週末比252ドルまで下落したものの、終盤に一時プラス圏を回復する場面もあったが、36.97ドル安(-0.11%)と小幅反落となった。一方、ナスダックは前週末まで下落が続いたことで買い戻しが先行した。また、ハイテク株の買いが優勢となったことも影響し、206.81ポイント高(+1.56%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、序盤から堅調な動きとなり、序盤に前週末比260円超上昇した日経平均株価が下落に転じ、一時40円安まで下落したことも圧迫要因となった。その後、日経平均株価が再び堅調な動きとなり307円台まで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したこと、さらに中国人民元が下落したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の安値の145.15から145.63まで上昇した。
(2)上昇一服後、日経平均株価が終盤にかけて上げ幅を縮小する動きとなりドル円・クロス円は軟調な動きとなったものの、下値は限定的となり底固い動きとなった。欧州時間では、欧州株が序盤から堅調な動きとなったことや、米金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、ジャクソンホール会議を控えて米金利の先高観が強まっており、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.284%から4.351%まで上昇して2007年11月以来の高水準を付け、2年債利回りは5.004%と、5営業日ぶりに5.0%台まで上昇したことに伴い、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の145.83から146.40まで上昇したものの、17日に付けた年初来高値の146.57には届かなかった。その後は、ポジション調整などの動きもあり、ドル/円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
今週24日-26日に開催されるジャクソンホール経済シンポジウムを控えて様子見ムードが広がる中、積極的な売買が手控えられ、限定的な動きが予想されている。その中で、ジャクソンホールでの講演で、パウエルFRB議長がタカ派的な姿勢を示すとの見方から米金利が上昇しており、金利の上昇に伴いドルも堅調な動きとなっている。特に、日米の金利差拡大観測が意識されて、ドル/円は堅調な動きとなっている。
本日も、米国の金利上昇が見込まれており、金利の動向に左右される展開が予想されている。また、米国時間では、米中古住宅販売件数、リッチモンド連銀製造業指数の発表が予定されているが、事前予想では前月から悪化が予想されていることから、結果とマーケットの反応に注目したい。
8/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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415万件 | 416万件 |
前回は市場予想を下回り、1月以来の低水準となった。販売価格が過去最高水準にあることや、在庫減少が続いており、6月の在庫は108万件と6月としては過去最少となっていることが影響した。今回は、さらに減少が予想されて改善には時間を要するとの見方もある。 |