前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドルは底固い動きとなる場面もあったが、その後低下に転じたことや、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、午後に前日比200円超下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。ただ、欧州市場では、主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利の上昇も加わり、底固い動きとなった。
米国市場では、欧州時間に上昇していた米長期金利が低下に転じたことから、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後は、ロンドンフィキシングに向けて円売りが優勢となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米主要株価指数が軒並み下落幅を拡大したことから一時反落する動きも見られた。ドル/円は、序盤に143.25まで下落したものの、その後は上昇に転じて前日高値の143.49を上抜けて一時143.75まで上昇した。
米株式市場では、前日の格付け会社による米銀行の格下げが引き続き材料視されたことや、米消費者物価指数の発表を翌日に控えたポジション調整の動きも見られ、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。その後、ダウ平均が一時プラス圏を回復するなど、軒並み下げ幅を縮小する場面もあったが、終盤には再び軟調な動きとなった。ダウ平均は、序盤に前日比255ドル安まで下落したものの、その後は下げ幅を縮小して一時プラス圏を回復する場面もあった。しかし、終盤には再び軟調な動きとなり、191.13ドル安(-0.54%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは162.30ポイント安(-1.17%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から157円安まで下落したことも圧迫要因となった。ドル/円は、序盤の143.40から143.09まで下落した。
(2)その後、日経平均株価が下げ幅を縮小し、一時30円高とプラス圏を回復したことからドル円・クロス円も堅調な動きとなり、さらに米長期金利が上昇に転じたことも支援材料となった。しかし、午後に入ると、日経平均株価が再び下げ幅を拡大して198円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、7月の米消費者物価指数の結果発表を翌日に控えて様子見ムードも強まっており、全般的に方向感のない動きが続いた。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、欧州時間に4.042%まで上昇していた米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.984%まで低下したことを受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後は、ロンドンフィキシングに向けて円売りが優勢となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米主要株価指数が軒並み下落幅を拡大した場面では、ドル円・クロス円も反落となる動きが見られた。また、米消費者物価指数の発表を控えたポジション調整の動きもあり、ドルの上値は限定的となった。ドル/円は、序盤に143.25まで下落したものの、その後は前日高値の143.49を上抜けて一時143.75まで上昇した。
本日のトピックス
本日の米国時間に7月の米消費者物価指数の発表が予定されており、結果発表までは様子見ムードが強まり、限定的な動きが予想されている。
7月の米消費者物価指数は、先月まで12ヵ月連続の低下となったこともあり、市場予想では上振れが予想されている。予想通りの上振れとなった場合、利上げ期待の高まりからドルの上昇も考えられるが、予想外の鈍化となる場合には、2021年3月以来2年4ヵ月ぶりの2%台回復となることから、インパクトはかなり大きくなると見られている。
8/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
7月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
|
3.3% | 3.0% |
前回は、市場予想を下回り12ヵ月連続の低下で2021年3月以来の低水準となった。また、コア指数は前年比で2021年11月以来の5%割れとなり、物価の鈍化傾向が続いていることが示された。今回は、前月から上昇が予想されており、13ヵ月ぶりの上昇となるのか注目されている。 |