前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。また、日経平均株価が序盤から下落したことも圧迫要因となった。午後には、日銀が臨時の国債買いオペを通告したことで円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は上昇が加速した。ただ、上昇一服後は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル円/は、一時142.07まで下落したものの、米10年債利回りが昨年11月以来の高水準まで上昇したことから、終盤にかけては再び142.75まで値を戻した。
米株式市場では、米経済指標が軒並み冴えない結果となったことを受けて、米景気の先行きへの懸念が広がったことから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ただ、雇用統計の発表を控えて様子見ムードもあり下値は限定的となり、プラス圏まで回復する場面もあった。しかし、米長期金利が上昇したことが圧迫要因となり、終盤には再びマイナス圏に落ち込んだ。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、前日比160ドル安まで下落した。その後、一時65ドル高まで上昇したものの、終盤には再びマイナス圏まで下落し、66.63ドル安(-0.19%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、13.71ポインント安(-0.10%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤からレンジ内の動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤に前日比ドル/円は522ドル安まで下落したことから上値の重い動きとなった。ド/ル円は、134.16から133.47のレンジ内の動きとなった。
(2)午後に入ると、日銀が国債臨時オペ通告したとの報道を受けて、円売りが優勢となった。今週2度目の予定外の債券購入となり、円金利の上昇が抑制されるとの見方が広がり、円売りが優勢となった。ドル/円は、レンジ上限の143.47、前日高値の143.55を上抜けて143.89まで上昇し、7/7以来約1ヵ月ぶり高値を更新した。ただ、その後は上昇していた米長期金利が低下に転じたことや、欧州主要株価指数が軒並み下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が市場予想の22.5万件を上回る22.7、万件、ISM非製造業景況指数も市場予想の53.1を下回る52.7と、冴えない結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル円/は、序盤の142.97から142.07まで下落した。一方、英中銀が予想通り0.25%の利上げを発表したものの、一部で0.50%の利上げを予想していた向きの失望売りもあり、ポンドは一時下振れする場面もあった。
(4)下げ一服後は、米国債の格下げ、米財務省の中期債発行額の引き上げなどを材料に米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.118%から4.195%まで上昇し、昨年11月以来の高水準まで達したことからドルは底固い動きとなり、ドル/円は終盤にかけて142.75まで値を戻した。
本日のトピックス
本日は、米雇用統計の発表が予定されており、結果を見極めたいとの様子見ムードが強まり、発表までは限定的な動きが予想されている。先に発表されたADP雇用統計が、市場予想を大幅に上回る結果となったこと受けて、労働省の発表する雇用統計への期待も高まっている。ただ、ADPと逆の結果となることや、ADPの結果との乖離が大きくなることも多いことから、過度な期待は禁物といえるだろう。
市場予想では、非農業部門雇用者数が+20.0万人が予想されており、これを上回るのかどうか注目される。特に、+20万人を下回る伸びとなる場合には、2020年12月以来の低い伸びとなることから、インパクトが大きくなる可能性も考えられる。さらに、前月は過去2ヵ月分が大幅に下方修正されたことがドルの下落要因になっていたことから、今回も過去2ヵ月分の修正幅に注目したい。
8/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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20.0万人 | 20.9万人 |
前月は市場予想を下回り、2020年12月以来の低い伸びとなった。また、過去2ヵ月分が下方修正されたこともあり、労働市場が徐々に減速していることが示された。今回は、前月から小幅に伸び幅の縮小が予想されている。ただ、2日に発表されたADP雇用統計が予想を上回る伸びとなったことから、結果が注目されている。 |