前営業日トピックス
前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後、米長期金利の低下を受けてドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円の下落を受けてクロス円も軟調な動きとなった。午後には、日経平均株価が上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は持ち直したが、上値は限定的となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み良好な結果となったことを受けて、ドルは序盤から堅調な動きとなった。しかし、その後日銀がイールドカーブコントロールの修正案を議論し、長期金利の操作上限を0.5%に据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を超えることも容認する案が浮上したとの報道を受けて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は大幅な下落となった。ドル/円は、一時138.77まで下落して序盤の高値から2.55円の下落となった。
米株式市場では、前日引け後に発表された米企業の良好な四半期決算に加え、序盤に発表された米経済指標が軒並み良好な結果となったことを受けて、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、上昇一服後は高値警戒感から利益確定の動きが強まったことや、米長期金利が大幅な上昇となったことも加わり、主要株価指数は軒並みが下落に転じてマイナス圏まで落ち込んだ。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比125ドル高まで上昇して2022年2/10以来の高値を更新した。ただ、その後は下落に転じて一時303ドル安まで下落したが、引けにかけて下げ幅を縮小し、237.40ドル安(-0.67%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、77.17ポイント安(-0.55%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。前日の海外市場で予想通りの利上げが決定されたものの、パウエルFRB議長が会見での発言がタカ派ではなかったとの見方かからドル売り・円買いが優勢となった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円の下落に連れて、クロス円も軟調な動きとなった。軟調な動きとなった。
(2)下げ一服後、午後に入り日経平均株価が上げ幅を拡大し、前日比270円超上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表されたGDP速報値が市場予想の1.8%を上回る2.4%となり、新規失業保険申請件数が23.5万件予想に対して22.1万件、耐久財受注が1.3%予想に対して4.7%といずれも良好な結果となったことを受けて、ドルは序盤から堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の140.12から141.32まで上昇した。一方、ECB理事会で0.25%の利上げが決定されたものの、ラガルド総裁が会見で「短期的な経済見通しは悪化した」「経済成長とインフレの見通しは極めて不確実」など、ハト派的な発言をしたことを受けてユーロ売りが優勢となった。ユーロは、対ドルで7/10以来、対円では6/15以来の安値を更新した。
(4)日銀がイールドカーブコントロールの修正案を議論し、長期金利の操作上限を0.5%に据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を超えることも容認する案が浮上したとの日経電子版の報道を受けて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は大幅な下落となった。ドル/円は、一時138.77まで下落して序盤の高値から2.55円の下落となった。
本日のトピックス
前日の海外時間に、「日銀がイールドカーブコントロールの修正案を議論し、長期金利の操作上限を0.5%に据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を超えることも容認する案が浮上」との報道を受けて円買いが優勢となった。事前に報道されたこともあり、本日の日銀の金融政策決定会合でどのよう発表があるのか注目されている。報道通りなら、円買いとなる可能性もあるが、海外時間での報道後にドル/円で2.50円超下落していることから、下値は限定的との見方もある。このことから、夕方の植田総裁の発言内容が注目されるだろう。また、イールドカーブコントロールの修正があった場合でも、それが一時的な措置なのか、正常化の始まりとの位置づけなのかがポイントとなるだろう。
また、本日の海外時間では、7月のドイツの消費者物価指数、米PCEデフレーター、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、景気の先行きを見る上で注目されている。
7/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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72.6 | 72.6 |
前回の速報は市場予想を上回り、2021年9月以来の高水準となった。インフレ鈍化に加え、堅調な労働市場が消費者のマインドを押し上げた。今回の確報は、速報と変わらずが予想されているが、インフレ期待なども修正があるのか注目したい。 |