前営業日トピックス
東京市場では、序盤に300円超上昇した日経平均株価が下落に転じ、午後に一時マイナス圏まで下げ幅を拡大したことや、時間外取引で米長期金利が低下したこともあり、ドル円・クロス円は序盤底固い動きとなったものの、その後は軟調な動きとなった。欧州時間でも軟調な動きが続き、下げ幅を拡大した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったこと受けて、米金利の低下とともにドルは軟調な動きとなった。しかし、植田日銀総裁が「2%のインフレ達成にはまだ距離がある」と発言したこと受けて、日銀が金融政策決定会合で政策の現状維持を継続するとの観測から円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された6月の米小売売上高が市場予想を下回ったものの、米企業の四半期決算が良好だったことを好感して買いが優勢となった。さらに、FRBの利上げ終了が近づいているとの期待感が根強いことも加わり、主要株価指数は上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比401ドル高まで上昇した。その後は高値圏で推移し、366.58ドル高(+1.06%)で終了し、終値ベースで昨年4/20以来の高値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、108.69ポイント高(+0.76%)で終了し、終値ベースで昨年4/4以来の高値を付けた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)休場明けの東京市場では、日経平均株価が序盤から前週末比323円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも押し上げ要因となった。ただ、仲値通過後は、日経平均株価が24円高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、時間外取引で米長期金利の低下が続いたことも加わり、ドル/円は序盤の高値138.93から138.09まで下落した。欧州時間に入っても円買いの動きが継続し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された6月の米小売売上高が市場予想を下回ったことを受けて、米金利の低下とともにドルは軟調な動きとなった。しかし、植田日銀総裁がG20後の会見で「2%のインフレ達成にはまだ距離がある」と発言したこと受けて、日銀が来週の金融政策決定会合でYCC政策を修正するのではないかとの観測が後退したことで円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の138.27から一時137.69まで下落したものの、その後は139.14まで上昇した。
本日のトピックス
来週の日銀金融政策決定会合では、一部でイールドカーブ・コントロール(YCC)を修正するとの見方もあったが、昨日のG20後の会見で植田日銀総裁が、「2%のインフレ達成にはまだ距離がある」と発言したことを受けて、イールドカーブ・コントロールを修正するのではないかとの見方が後退し、円売りが優勢となった。東京市場でも、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、海外時間の高値139.14を上抜けて一時139.20まで上昇したものの、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
ドル円・クロス円は、方向感の乏しい動きが続いており、ここから上下どちら側に動きが出るのか注目されている。特に、来週はFOMC(26日)、ECB理事会(27日)、日銀の金融政策決定会合(28日)を控えていることもあり、やや動き難いか。ただ、政策発表までの経済指標の結果を受けて思惑が交錯する可能性も考えられることから、今週前半の動きのように上下に振れる展開が続く可能性も考えられる。
本日の海外市場では、英国、ユーロ圏の消費者物価指数の発表が予定されており、英中銀やECBの金融政策を見る上で注目されている。一方、米国では住宅関連の経済指標の発表が予定されており、米国の経済動向次第で利上げの思惑が交錯することから、こちらの結果にも注目したい。
7/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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148.0万件 | 163.1万件 |
前回は市場予想を大幅に上回る結果となり、2022年4月以来の高水準となった。一戸建ては+18.5%、集合住宅は+27.1%となり、伸び幅は2016年以来の大幅な伸びとなった。中古住宅の在庫不足に加え、資材コストの低下、サプライチェーン問題の緩和が背景にある。今回は、前月から減少が予想されてるが、着工件数の先行指標となる許可件数は前月伸びたものの、3月4月に減少したことが影響するとの見方もある。 |