前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の大幅下落が一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、五・十日に当たり、実需のドル買いが観測されたことも押し上げ要因となった。午後に入り、一段の上昇となったものの、その後は円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、新規材料に乏しい中、米金利の上昇を受けてドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、その後は米長期金利が低下に転じたことから、ドルも軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の142.08から一時142.51まで上昇したものの、終盤にかけて141.28まで下落した。
米株式市場では、前週末まで下落が続いた反動で、値頃感の買い戻しが先行した。その後は、12日発表予定の米消費者物価指数の結果を見極めたいとの思惑もあり、やや限定的な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比223ドル高まで上昇した。その後は、上値の重い動きが続き、209.52ドル高(+0.62%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、24.76ポイント高(+0.18%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の大幅下落の反動でドルは主要通貨に対して序盤から堅調な動きとなった。さらに、五・十日に当たり仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたことから、ドル/円は序盤の142.12から142.90まで上昇する動きとなった。
(2)上昇一服後は、やや上値の重い動きが見られたものの、午後に入り円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ドル/円は、一時143.00まで上昇したものの、その後は米長期金利の低下などもあり、上値の重い動きとなった。
(3)米国場では、主要な米国の経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.031%から4.087%まで上昇したことから、ドルも序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、12日に発表される米消費者物価指数の発表を控えてインフレに対する不透明感も強く、またクリーブランド連銀総裁が「インフレ率を下げるには追加の金融引き締めが必要」など、複数のFRB当局者が追加利上げの必要性に言及したが、バーFRB副議長が「インフレは高すぎるが、目標に近づいている」との見方を示したこともドルの圧迫要因となった。さらに、米10年債利回りが3.983%まで低下するなど、米金利が軒並み低下に転じたことからドルも軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の142.08から一時142.51まで上昇したものの、終盤にかけて141.28まで下落した。
本日のトピックス
昨晩は、複数のFRB当局者が追加利上げの必要性に言及したが、目標に近づいているとの見方も示された。先週末の米雇用統計では、雇用者数の伸び幅が鈍化したこともあり、米景気に対する不透明感もあり、FRBの追加利上げには懐疑的な見方もある。その中で、消費者物価指数の鈍化傾向が続けば、利上げ終了との見方につながる可能性も考えられる。
今回の米消費者物価指数の結果と、それを受けたマーケットの反応やFRB当局者の見解が注目されており、発表を控えて様子見ムードが強まることも考えられ、限定的な動きが見込まれている。