前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。日経平均株価が一段の上昇となったものの、米金利が低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から上昇したことや、米長期金利の上昇もあり、堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤からドルは主要通貨に対して堅調な動きとなったものの、パウエルFRB議長のハト派発言を受けて、下落に転じた。さらに、イエレン米財務長官の発言を受けて、金融システム不安が再燃したこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は序盤の138.65から137.43まで下落した。
米株式市場では、アジア株や欧州株の上昇を受けて、米主要株価指数も序盤から堅調な動きとなった。しかし、米債務上限問題を巡る協議が中断したとの報道を受けて下落に転じた。さらに、米財務長官の発言を受けて、金融システム不安が再燃したことも加わり、主要株価指数は下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤に前日比116ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時199ドル安まで下落する場面もあった。ただ、終盤には下げ幅を縮小し、109.28ドル安(-0.33%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、30.94ポイント安(-0.24%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日発表された米経済指標が堅調な内容となったことや、FRB高官によるタカ派的な発言を背景に米長期金利が3.65%付近と上昇基調が継続しており、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は、利益確定の動きに加え、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は、序盤の高値138.69から138.28まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価がやや上値の重い動きとなったことや、金利の低下が続いたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から上昇したことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、円売りが優勢となった。
(3)米国市場では、米債務上限問題に対する楽観的な見方を背景に、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、パウエルFRB議長が「政策金利をそれほど引き上げる必要がないかもしれない」と発言したことを受けて、ドルは下落に転じた。さらに、イエレン米財務長官が「更なる合併が必要になる可能性を銀行幹部に伝えた」としたことで、金融システム不安が再燃したこともドルの圧迫要因となり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.718%から3.634%まで低下するなど、米金利の低下とともにドル/円は序盤の138.65から137.43まで下落した。
(4)下げ一服後は、米金利が持ち直したことや、米主要株価指数が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は終盤に下げ幅を縮小する動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、先週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。米債務上限問題に関する与野党協議が中断されたことや、米金融システム不安が再燃したことが引き続きドルの圧迫要因となっており、引き続きドルは上値の重い動きが続くとの見方もある。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きも予想されているが、バイデン大統領とマッカーシー下院議長が会談をする予定となっていることから、事態の打開ができるのか注目されており、協議再開や進展が見られれば、目先の懸念が払拭する可能性も考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、目先の上値のポイントである137.909を上抜けて一段の上昇となったものの、上値目標の計算値である140.329には届かなった。日柄的には目標に到達していることもあり、ここから軟調な動きとなるのか、さらに一段の上昇となるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線の乖離幅がやや縮小していることから、このまま縮小して両線がクロスするのか注目される。また、さらに短期の動きを見るストキャスティクスでは、両線が高水準域でクロスして下向きとなっており、目先の軟調な動きを示唆している。
このことから、目先軟調な動きとなる可能性が予測される。日柄的には、下げ幅にもよるが3-5日程度と考えられ、129.637からのトレンドライン近辺で下支えられるのか注目される。目先の下値目標の計算値は、134.471と計算できる。
一方、上値のポイントは、直近高値の138.750となり、ここを上抜ける場合には上値目標の計算値である140.329を目指す展開も考えられる。