前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米債務上限問題に対する楽観的な見方が広がったことや、日経平均株価が570円超上昇したことなどが支援材料となった。ただ、上昇一服後は、実需のドル売りが観測されたことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは一段の下落となった。しかし、午後には米長期金利が上昇に転じたことから円が売られたものの、ドル円・クロス円の上昇は一時的となり、その後は上値の重い動きとなった。欧州時間では、再びドル買いが優勢となり、ドル/円は一段の上昇となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想より良好な結果となったことを受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、FRB高官のタカ派発言も好感され、ドルは一段の上昇となった。ドル/円は、一時138.75まで上昇し、昨年11/30以来の高値を付けた。
米株式市場では、米債務上限問題の協議が進展するとの期待から主要株価指数は堅調な動きとなった。ただ、FRBの利上げが継続されるとの見方が再燃したことで、米景気の先行きに対する警戒感が高まり、ダウ平均は一時マイナス圏まで下落する場面もあった。ダウ平均株価は、一時208ドル安まで下落したものの、終盤にはプラス圏に回復して115.14ドル高(+0.34%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、188.27ポイント高(1.51%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、米債務上限問題に対する楽観的な見方が広がったことから上昇した前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比573円高まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。ドル/円は、前日の高値137.66を上抜けて一時137.72まで上昇した。しかし、仲値公示にかけて実需のドル売りが観測されるとドルな軟調な動きとなり、ドル/円は一時137.29まで下落した。
(2)下げ一服後は、低下していた米金利が上昇に転じたことから再びドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、137.74まで上昇したものの、上昇一服後は再び軟調な動きとなった。一方、4月のオーストラリアの雇用統計が低調な結果となったことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して下落した。欧州時間では、再びドルが主要通貨に対して堅調な動きとなったことから、ドル/円は一段の上昇となり、137.94まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数がともに市場予想より良好な結果となったことを受けて、米長期金利の指標となるい米10年債利回りが3.594%から3.655%まで上昇するなど、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、ダラス連銀総裁が「現在のデータは利上げ停止を正当化しない」とし、セントルイス連銀総裁も「利上げを続けることを支持」とタカ派発言も好感され、ドルは一段の上昇となった。ドル/円は、序盤の137.75から138.75まで上昇し、昨年11/30以来の高値を付けた。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、米経済指標が良好な結果となったことに加え、引き続き複数のFRB高官のタカ派発言を受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米金利先物市場では、最近の米経済指標の結果や米当局者の発言を受けて、6月のFOMCでの0.25%の利上げ予想確率が先週の12%から40%まで上昇している。
本日の米国市場では、主要な米国の経済指標の発表がないものの、複数のFRB高官の発言が予定されている。特に、パウエルFRB議長の発言が予定されており、今後の金融政策に関連する発言が注目されている。ここまで高官のタカ派的な発言が続いていることから、パウエルFRB議長も同様にタカ派的な発言をするのか、慎重な発言をするのか、それともハト派的と受け取られる発言をするのか注目されている。発言の内容によりドルが敏感に反応すると見られている。