前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったものの、米長期金利が低下したことや、中国の経済指標が冴えない結果となったことから、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。午後には、米株価先物が下落したことや、米金利が低下したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ただ、欧州時間では下げも一服となり、値を戻す動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み良好な結果となったことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、複数のFRB高官のタカ派発言もドルの押し上げ要因となった。ただ、終盤にかけて米金利がやや低下したことや、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円も上げ幅を縮小した。
米株式市場では、住宅用品販売大手の四半期決算が冴えない内容となったことを受けて、米景気の先行きへの警戒感を背景に米主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米債務上限問題やFRB高官のタカ派発言が圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、終盤に下げ幅を拡大して336.46ドル安(-1.01%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは下落して始まったものの、その後はプラス圏での推移が続いたが、終盤に再びマイナス圏に落ち込み、22.16ポイント安(-0.18%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、中国の経済指標が軒並み市場予想を下回ったことも圧迫材料となり、特に貿易上で関連が深いことから豪ドルが一段の下落となった。ただ、日経平均株価が序盤から260円超上昇したこともあり、ドル円・クロス円の下値は限定的だった。
(2)午後に入り、日経平均株価が一段の上昇となり、前日比290円高まで上昇したものの、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、米株価先物が下落したことや、米金利が低下したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。特に、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで下げ幅を拡大したことから、対円でも一段の下落となった。ただ、下げ一服後は値を戻す動きとなった。
(3)米国市場では、米小売売上高が3ヵ月ぶりにプラスとなったことや、鉱工業生産とNAHB住宅市場指数がともに市場予想を上回ったことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.475%から3.571%まで上昇となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、クリーブランド連銀総裁が「金利は十分に制限された水準にない」と発言したことや、リッチモンド連銀総裁が「インフレについてはまだ納得が得られない」「必要なら追加利上げの可能性も」とのタカ派発言もドルの押し上げ要因となり、ドル/円は序盤の135.62から136.69まで上昇した。
(4)終盤にかけて上昇していた米金利がやや低下したことや、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円も上げ幅を縮小した。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、FRB高官のタカ派発言を受けて、米長期金利の上昇とともに、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。FOMC後には利上げサイクルの終了との観測が広がったものの、ここにきて高官の発言などから再び金利が上昇している。経済のデータ次第との発言もあり、昨日のように良好な経済指標の結果が続くようなら、再び利上げに対する期待が高まる可能性も指摘されており、今後の経済指標の結果が注目される。
本日の米国市場では、住宅着工件数の発表が予定されており、特にFRBの利上げに伴う住宅ローン金利の上昇が住宅市場の重しとなっていただけに、回復の兆しが見られるのかどうかが注目されている。ただ、米債務上限問題では依然として与野党の対立が続いていることから、積極的にドルを買い難い状況であるとの指摘も。
5/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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140.0万件 | 142.0万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、前月からは減少となった。一戸建て住宅は+2.7%となったものの、集合住宅が-5.9%となったことが全体を押し下げた。借り入れコストが依然として高水準であることが影響しているとの指摘もあった。今回は、前月から小幅減少が予想されている。 |