前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から200円超上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間に入っても堅調な動きが続き、ドル/円は一時136.32まで上昇して5/3以来の高値を更新した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想を大幅に下回ったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。ただ、先週末に期待インフレが上昇したことや、米当局者のタカ派発言を受けて、米金利上昇とともにドルは急速に値を戻す動きとなった。ただ、米債務上限問題でデフォルトへの懸念が指摘されていることもあり、終盤までは上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、序盤に発表されたNY連銀製造業景気指数が市場予想を大幅に下回ったことを受けて、序盤は軟調な動きとなった。その後は、ダウ平均がここまで5営業日続落となった反動で値頃感の買い戻しが入るなど、主要株価指数はプラス圏を回復して終了した。ダウ平均株価は、序盤に前日比138ドル安まで下落したものの、その後は上昇に転じて99ドル高まで上昇した。終盤には再びマイナス圏まで下落する場面もあったが、47.98ドル高(+0.14%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、80.47ポイント高(+0.65%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が序盤に前週末比241円高まで上昇したことや、五・十日に伴う実需の売買が交錯したことから、仲値公示にかけてドル/円はやや上値の重い動きも見られた。
(2)午後に入り、時間外取引で米長期金利が上昇したことや、日経平均株価が高値圏で推移したことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。欧州時間では、米長期金利の上昇に加え、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の135.73から136.24まで上昇した。
(3)米国場では、序盤に発表された5月のNY連銀製造業景気指数が市場予想を大幅に下回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、指標発表前の136.24から135.71まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨はドル/円の動きに連れて対円で下落した。
(4)米当局者のタカ派発言や、先週末のミシガン大指数で期待インフレが上昇したことが引き続き材料視され、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.460%から3.509%まで上昇するなど、米金利が軒並み上昇したことでドルも急速に値を戻す動きとなった。ドル/円は、再び上昇に転じて一時136.20まで上昇した。ただ、米債務上限問題でデフォルトへの懸念が指摘されていることもあり、終盤までドルは上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、米当局者が次回のFOMCで利上げの可能性を示唆したことや、先週末のミシガン大学消費者信頼感指数で期待インフレ率が上昇したことが引き続き材料視され、ドルは堅調な動きとなった。しかし、米債務上限問題では、民主党と共和党の折り合いが難しいと見られており、デフォルトへの警戒感からドルは上値の重い動きが続くとの見方もある。
本日、バイデン大統領はマッカーシー米下院議長と米債務上限を巡って協議を行う予定となっており、協議の行方が注目されている。また、米国市場では、米小売売上高、鉱工業生産などの経済指標の発表が予定されており、結果が注目されている。経済指標が冴えない結果となる場合には、前日同様に下振れとなる可能性も考えられる。
5/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.8% | -1.0% |
前回は市場予想を下回り、前月から小幅改善したものの、2ヵ月連続のマイナスとなり、高インフレや借り入れコストの上昇が家計に影響していることが示された。大半のセクターでマイナスとなり、特に資材や食品・飲料、ガソリンスタンドがマイナスに落ち込んだことが影響した。今回は、3ヵ月ぶりにプラス改善が予想されているが、個人支出の改善傾向が示されるのか注目されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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45 | 45 |
前回は市場予想と一致し、2020年4月以来の低水準となった昨年12月の結果から4ヵ月連続の上昇となり、住宅市場の緩やかな回復が示された。今回は、横ばいが予想されており、住宅ローン金利の低下などもあり、緩やかな改善が示されるのか注目されている。また、一戸建て販売の現況指数が4ヵ月連続の上昇となっており、上昇が続くのか注目したい。 |