前営業日トピックス
東京市場では、実需のドル買いに支えられ、仲値公示にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、米長期金利が上昇したことや、日本や欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことが加わり、堅調な動きが続いた。
米国市場では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったものの、期待インフレ率が予想を上回ったことから、米金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時135.76まで上昇したが、上昇一服後は週末を控えて小動きの展開が続いた。
米株式市場では、5月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことが嫌気され、売りが優勢となった。さらに、米債務上限問題に関して、CBO(米議会予算局)が6月前半にも債務不履行になる可能性を指摘したことも加わり下げ幅を拡大した。ただ、下げ一服後は買い戻しが優勢となり、終盤にかけて下げ幅を縮小し、主要株価指数は小幅安となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比96ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて198ドル安まで下落した。終盤にかけて下げ幅を縮小して8.89ポイント安(-0.03%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、43.77ポイント安(-0.35%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)仲値通過後もドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。また、欧州時間でも時間外取引で米金利が上昇したことや、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことが影響して、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に米金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。その後に発表された5月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったものの、期待インフレ率が予想を上回ったことから、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.382%から3.466%まで上昇するなど、米金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の134.72から135.76まで上昇したが、上昇一服後は週末を控えて小動きの展開が続いた。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したものの、ドル/円の上昇に連れて対円では堅調な動きとなった。
本日のトピックス
先週末の海外市場では、米金利上昇を背景に、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなったが、依然として米債務上限問題に対する懸念が燻っている上、米議会予算局が6月前半にも債務不履行になる可能性を指摘したこともあり、一方的なドルの上昇には限界があるとの指摘も。そのため、ここからの動きが注目される。一方、11日に英中銀総裁が利上げを一時停止できる時期に近づいているとの見解を示したことから、英中銀の利上げ休止観測が浮上したことでポンド売りとなったこともあり、ドルやユーロに対する今後の動きが注目される。
本日の海外市場では、ドイツの生産者物価指数やユーロ圏鉱工業生産の発表が、米国時間ではNY連銀製造業景況指数が発表予定されており結果が注目されている。さらに、複数の米当局者の発言が予定されており、金融政策に関連する発言があるようなら敏感に反応する可能性もあり、発言の内容にも注目したい。
5/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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-5.0 | 10.8 |
前回は、市場予想に反して大幅上昇となり、5ヵ月ぶりにプラス圏に改善し、2022年7月以来の高水準となった。新規受注が25.1(前回-21.7)と過去最大の伸び幅となり、出荷も23.9(-13.4)と大幅上昇となったことが影響した。今回は、前回の大幅上昇の反動で再びマイナスへの低下が予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、3/24の安値129.637からのトレンドライン近辺で底固い動きとなり、堅調な動きとなっている。ここから一段の上昇となるのか、上値の重い動きとなるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線の交差が続いており、方向性を探り難い形状となっている。一方、より短期の動きを見る上で注目されているストキャスティクスでは、両線上向きとなっており、堅調な動きが続いていることが示唆される形状となっている。ただ、先行するラインが高水準域まで到達していることから、目先失速する可能性も考えられることから、両線の動きが注目される。
目先の上値のポイントは、前回超えられなかった3/8に付けた年初来高値の137.909となり、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。一方、下値のポイントは、129.637からのトレンドラインであり、ここを下抜けると一目均衡表の雲近辺が次のポイントとなり、雲を完全に下抜けると一段の下落となる可能性も考えられる。