前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。上昇一服後は、日経平均株価が下落して始まったことや、時間外取引で米金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。欧州時間では、米金利が上昇したことや、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、一時135.23まで上昇したが、その後は米金利が低下したことや、米主要株価指数が下落したことで、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は一時134.66まで下落した。ただ、終盤にかけて再び米金利が上昇に転じたこともあり、ドル/円は135.18まで値を戻した。
米株式市場では、融資担当者調査で、融資基準の引き締めで貸し出し需要の軟化が報告されたことを受けて、主要株価指数は軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は地銀株が持ち直したこともあり下げ幅を縮小したが、ダウ平均は小幅安となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比73ドル高まで上昇したが、その後は下落に転じて一時165ドル安で下落した。終盤には下げ幅を縮小したものの、55.69ドル安(-0.17%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、終盤にプラス圏を回復して21.51ポイント高(+0.18%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の雇用統計が良好な結果となったことが改めて材料視され、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ただ、前週末の海外市場での株高に反して連休明けの株式市場では、日経平均株価が220円超下落したことからドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、時間外取り引きで米金利が低下したことから、ドル/円は序盤の高値135.30から134.76まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ止まり、底固い動きとなったことから、クロス円も底固い動きとなった。一方、米国の利上げ打ち止め見通しが広がったことや、米地銀の経営不安が再燃したこと、さらに米政府の債務上限問題にも圧迫材料となり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ただ、欧州時間では、欧州主要株価指数が上昇したことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米金利上昇を背景に堅調な動きとなった欧州市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りは、欧州時間の3.437%から3.514%まで上昇したことから、ドル/円は一時135.23まで上昇した。ただ、アジア時間に付けた高値の35.30には届かなかった。その後、米金利が低下したことや、米主要株価指数が下落したことで、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は一時134.66まで下落した。
(4)終盤にかけて再び金利が上昇に転じたこともあり、ドル/円は135.18まで値を戻した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落が続いたことから、対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
米地銀の経営不安に伴う金融システム不安の再燃問題はやや落ち着いており、問題の地銀の株価が反発していることからも一服が伺える。ただ、依然として不安が残っているとの見方もあり、新たな問題が噴出する場合にはドルの圧迫要因となる可能性も考えられることから、警戒も必要だろう。
本日の米国市場では、主要な米国の経済指標の発表が予定されていない上、10日に米消費者物価指数の発表が予定されていることから様子見ムードが強まり、限定的な動きが予想されている。目先のマーケットの注目は、米消費者物価指数の発表、米債務上限問題となっており、関連する報道や要人発言には注目したい。
マーケットでは、FRBの利上げサイクルの終了との見方が広がっているが、今回の米消費者物価指数の結果次第となると見られている。指数の下振れなら利上げサイクルの終了が改めて確認されることになり、上振れとなる場合にはもう一度の利上げ観測が浮上する可能性も考えられる。