前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロスは軟調な動きとなったものの、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことや、植田日銀総裁が金融緩和の継続姿勢を改めて示したことも材料視され、ドル/円は一時134.48円まで上昇した。午後に入り、米長期金利が低下したことから、円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、峰州時間には再び円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、新規材料に乏しい中、米長期金利が低下したことからドルも主要通貨に対して下落となり、ドル/円は一時134.23まで下落した。一方、ドイツの経済指標が良好な結果となったことや、ECB当局者のタカ派発言を受けてユーロは主要通貨に対して上昇し、対ドルでは4/14以来、対円では2014年12月以来の高値をそれぞれ更新した。
米株式市場では、新規材料に乏しい中序盤は買いが先行したものの、IT大手など主要企業の決算発表を控えて様子見ムードが強まっていたことや、来週のFOMCの結果を見極めたいとの見方も根強く、その後はマイナス圏まで下落した。ただ、終盤にかけては下げ幅を縮小する動きとなった。ダウ平均は、序盤に前日比82ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて82ドル安まで下落した。その後は、下げ幅を縮小してプラス圏を回復、66.44ドル高(+0.20%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、35.26ポイント安(-0.29%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後、植田日銀総裁が衆院の決算行政監視委員会で「物価の基調はまだ2%を下回っているので緩和を継続する」と述べたことを受けて円売りが優勢となった。ドル/円は、序盤の133.89から134.46まで上昇したものの、前週末の海外市場の高値の134.49を超えられなかった。
(2)上昇一服後は、新規材料に乏しい中、前週末比116円高まで上昇した日経平均株価が2円高まで上げ幅を縮小したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後は、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。特に、ユーロは4月の独IFO企業景況感指数が市場予想を上回ったことが好感され、主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、新規材料に乏しい中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.514%から3.488%まで低下したことに合わせ、ドルも主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の134.73から134.23まで下落した。一方、ECB専務理事が「来週の理事会で0.50%の利上げの可能性を排除しない」とのタカ派発言を受けてユーロは主要通貨に対して上昇し、対ドルでは4/14以来の高値、対円では2014年12月以来の高値をそれぞれ更新した。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から軟調な動きとなり、欧州通貨や資源国通貨は堅調な動きとなった。ただ、大手企業の決算発表などを控えていることや、週末に日銀の金融政策発表、来週の主要中銀の金融政策発表を控えており積極的な売買が手控えられるとの見方もあり、限定的な動きを予想する向きもある。
本日の米国市場では、4月の米消費者信頼感指数、3月の新築住宅販売件数など主要な米経済指標の発表が予定されており、結果を受けて米金利に動きが出ればドルの動きにも影響する可能性が考えられることから、結果には注目したい。
4/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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104.0 | 104.2 |
前回は市場予想に反して上昇となり、3ヵ月ぶりの上昇となった。現況指数が低下したものの、期待指数が上昇したことが影響した。米銀行の破綻後の統計であることから、目先の不安が残っていることが示されたものの、今後は落ち着きが見られるとの楽観的な見方が期待指数を押し上げた。今回は、前月から小幅低下が予想されており、前回低下した現況指数が持ち直したのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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63.0万件 | 64.0万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、住宅市場の減速以降初めて3ヵ月連続の増加となり、住宅市場が安定し始めていることが示された。住宅ローン金利がやや低下していることが支援材料となっているものの、ピークからは低下したが依然として住宅価格が高水準であることが懸念要因となっている。今回は、前月から減少が予想されている。 |