前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなったものの、五・十日で実需のドル買いが観測されたことから、仲値公示にかけては堅調な動きとなった。その後、下落して始まった日経平均株価がプラス圏を回復したものの、時間外取引で米長期金利が低下したことを受けてドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、低下した米金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったが、ECB議事要旨を受けてユーロはドルや円に対して軟調な動きが続いた。
米国市場では、米経済指標が軒並み冴えない結果となったことを受けて、米金利の低下とともにドルは主要通貨に下落し、ドル/円は序盤の134.83から134.01まで下落した。一方、ユーロは欧州時間に公開されたECB理事会の議事要旨を受けて主要通貨に対して下落し、対円では欧州時間の高値147.82から一時147.02まで下落した。
米株式市場では、前日引け後に発表された米企業の四半期決算が冴えない結果となったことを受けて、企業業績への不透明感が高まったとの見方が広がり、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、FRBの利上げ長期化懸念が根強く、米景気の悪化を招くとの見方も圧迫要因となり、終盤に一段の下落となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比219ドル安まで下落した。その後、21ドル安まで下げ幅を縮小したものの、終盤に再び軟調な動きとなり、110.39ドル安(-0.33%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは97.67ポイント安(-0.80%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、朝方発表されたニュージーランドの第1四半期の消費者物価指数が低下したことに反応して、NZドルは主要通貨に対して下落した。また、豪ドルはNZドルの動きに連れてドルや円に対して下落した。その後は、五・十日であることから仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の安値134.57から134.97まで上昇した。
(2)仲値通過後、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、下落して始まった日経平均株価がプラス圏を回復して底固い動きが続いたものの、反応は限定的でドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、日本の株式市場終了後に時間外取引で米長期金利が低下したことからドル円・クロス円は下落となり、ドル/円は一時134.39まで下落した。ただ、欧州時間では米金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。しかし、ユーロはECB理事会の議事要旨を受けて主要通貨に対して下落した。
(3)米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が2週連続の増加となり、労働市場の減速が示されたことや、フィラデルフィア連銀景況指数が8ヵ月連続のマイナスで2020年5月以来の低水準となるなど、発表された米経済指標が軒並み冴えない結果となったことを受けて、米金利の低下とともにドルは主要通貨に下落した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.577%から3.522%まで低下したことから、ドル/円も序盤の134.83から134.01まで下落した。一方、ユーロはドルが主要通貨に対して下落したことから、米国時間では対ドルで持ち直したが、対円では下落が続き、欧州時間の高値147.82から一時147.02まで下落した。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。米国の経済指標が軒並み悪化したことで、米景気の先行き不透明感も出ており、ドルは上値の重い動きが続く予想されている。ただ、5月のFOMCでは依然として0.25%の利上げが8割超織り込まれていることから、ドルの下値は限定的と考えられる。
本日の海外市場では、ユーロ圏やドイツなどの製造業・非製造業PMIの発表が予定されており、速報値の発表であることから結果を受けて動きが出る可能性もあり、結果には注目したい。一方、米国でも製造業・非製造業PMIの発表が予定されており、こちらの結果にも注目したい。特に、前日の米経済指標結果が軒並み悪化したこともあり、当該指標も悪化するようなら、ドルの下振れにつながる可能性もあるだろう。