前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が下げ幅を拡大したものの、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、クロス円は上値の重い動きとなった。一方、NZ中銀が市場予想の0.25%を上回る0.50%の利上げを決定したことを受けて、NZドルは主要通貨に対して上昇となり、対円では1円超の上昇となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み市場予想を大きく下回ったことを受けて、米長期金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、一時130.63まで下落して3/28以来の安値を更新、クロス円も連れ安となった。その後は、米金利が持ち直したこともあり、ドル/円は終盤にかけて131.41まで値を戻した。
米株式市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回ったことを受けて、米景気後退懸念が強まり、主要株価指数は序盤から上値の重い動きとなった。ただ、その中でヘルスケアや医薬品などのデフェンシブ株が買われたことがダウの下支え要因となった。ダウ平均株価は、一時前日比141ドル高まで上昇したものの、その後は26ドル安まで下落するなど、軟調な動きとなる場面もあった。ただ、終盤にかけて底固い動きが続き、80.34ドル高(+0.24%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、129.47ポイント安(-1.07%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まり、300円超下落したことも加わり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。その後は、五・十日に当たり、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドルは堅調な動きとなった。
(2)その後、米長期金利が上昇したことからドルは主要通貨に対して堅調な動きが続き、ドル/円は序盤の131.30から131.84まで上昇した。一方、ドル/円の上昇に連れてクロス円も底固い動きとなったものの、日経平均株価が468円安まで下げ幅を拡大したこともあり、上値は限定的だった。また、NZ中銀が市場予想を上回る0.50%の利上げを決定したことから、NZドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では、発表直前の82.65から83.84まで上昇した。欧州時間では、ドル円・クロス円が軟調な動きとなる場面もあったが、下げ一服後は持ち直して底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月米ADP雇用統計、3月ISM非製造業景況指数がともに市場予想を大きく下回ったことを受けて、米長期金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは、序盤の3.342%から3.262%まで低下して昨年9/12以来の低水準となり、ドル/円も序盤の131.52から130.63まで下落して3/28以来の安値を更新、クロス円も連れ安となった。
(4)低下していた米金利が持ち直したことや、ドル/円が週明けの高値から3円超下落したこともあり、下げ一服後は買い戻しが優勢となり、終盤にかけて131.41まで値を戻した。
本日のトピックス
昨日発表されたADP雇用統計、ISM非製造業景況指数がいずれも市場予想を下回る結果となったことで、FRBによる利上げ終了への思惑が交錯し、米長期金利低下とともにドル/円も下落した。最近の米経済指標は冴えない結果が続いており、ここまで利上げに伴う労働市場への影響は限定的だったものの、ここにきて労働市場にも陰りが見られ始めている。
そのため、週末の米雇用統計への注目度が高まっており、仮に雇用統計も冴えない結果となるようなら、一連の経済指標の発表時と同様に、米金利の低下を伴ってドルの下振れとなる可能性も考えられる。特に、週末はイースター前のGood Fridayに当たることから、市場参加者が少なくなることも予想されており、そのため値動きが大きくなる可能性も指摘されている。
本日の米国市場では、3月の米チャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、共に雇用関連の経済指標であることから、週末の雇用統計を意識して結果に対して敏感に反応する可能性も考えられることから注目したい。
4/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(3/31までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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20.0万件 | 19.8万件 |
前回は市場予想を上回り、3週ぶりの増加となった。労働市場の堅調さが続いているが、その中でやや軟化が示された。今回は、前週から小幅増加が予想されており、銀行の経営破綻などの影響が今後出てくるとの懸念もある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の基準線近辺で上値を抑えられて下落に転じ、雲下限ラインも下抜ける動きとなっており、ここから一段の下げとなるのか、再び底固い動きとなるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線がクロスして上向きに転じたものの、再び乖離幅が縮小している。ここから両線がデッドクロスする場合には目先の軟調な動きを示唆する形状となることから、両線の動きに注目したい。
下値の重要なポイントは直近安値の129.637となり、ここを下抜ける場合には一段の下落となる可能性も考えられる。その場合の下値目標の計算値は、125.483と計算できる。一方、上値のポイントは、一目均衡表の雲下限ラインとなり、ここを上抜ければ再び底固い動きとなる可能性も考えられる。