前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。原油先物が上昇したことで、米金利先高観からドル買いが強まったことが影響した。さらに、仲値公示にかけては実需の売り・買いが交錯して軟調な動きとなったが、その後は米長期金利の上昇などもあり、ドル円・クロス円は再び堅調な動きとなった。しかし、欧州時間に入り、米長期金利が低下に転じたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米ISM製造業景況指数、建設支出がともに市場予想を下回ったことを受けて、米長期金利の低下とともにドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ECB当局者のタカ派発言もあり、ユーロは対ドルなどで堅調な動きとなった。また、原油価格が上昇したことで資源国通貨はドルや円に対して堅調な動きとなった。
米株式市場では、原油価格の上昇を受けてエネルギー・セクターが買われ、ダウ平均は序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比358ドル高まで上昇した。終盤まで高値圏を維持したまま、327.00ドル高(+0.98%)で終了した。一方、ナスダックは前週末に約半年ぶりの高値を更新したこともあり、序盤から利益確定の売りが先行した。終盤に下げ幅を縮小したものの、32.46ポイント安(-0.27%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)OPECプラスが追加減産を行うと発表したこと受けて原油先物が上昇、米金利先高観からドル買いが強まり、資源国通貨も対円で堅調な動きとなった。週明けの東京市場ではドル円・クロス円はギャップアップして始まった。ドル/円は、前週末の終値132.76から47銭ギャップアップした133.23で始まり133.38まで上昇したものの、上昇一服後にはポジション調整の動きなどから上値の重い動きとなり、132.82まで下落した。
(2)時間外取引で米長期金利が上昇したことからドルは堅調な動きとなり、ドル/円は133.76まで上昇した。一方、ドル/円の上昇や、上げ幅を縮小した日経平均株価が午後に再び上昇したことから、クロス円も堅調な動きとなった。しかし、欧州時間では、時間外取引で上昇していた米長期金利が低下したことから、ドル売り・円買いが優勢となり、また欧州株が下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米ISM製造業景況指数、建設支出がともに市場予想を下回ったことを受けて、米長期金利の低下とともにドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の高値133.17から132.20まで下落した。一方、ECB当局者のタカ派発言もあり、ユーロは対ドルなどで堅調な動きとなり、対円ではドル/円の下落に連れ安となったが、下げ一服後は終盤にかけて堅調な動きとなった。また、サウジやOPECプラスが減産継続を発表し、原油価格が上昇したことで資源国通貨が上昇、カナダドルは対ドルで2/16以来の高値、豪ドルも対ドルで2/14以来、対円で3/15以来の高値を更新した。
本日のトピックス
昨日の海外市場で発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回る冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。米景気の鈍化懸念を背景に、次回のFOMCでは金利据え置きとの見方がある一方、サウジやOPECプラスが減産継続を発表したことでインフレ高進懸念から利上げ継続との見方もあり、思惑が交錯している。さらに、米金利も思惑が交錯する展開となっており、ドルも神経質な動きとなっている。そのため、ドルの方向性が掴みにくい展開が予想されている。
その中で、本日の米国市場では、2月の米製造業受注指数、JOLT求人件数の発表が予定されており、結果が注目されている。ただ、米製造業受注指数、耐久財受注は確報値の発表であるため、速報値と比べて重要視されていないことから、反応は限定的と考えられる。一方、最近労働市場の軟化懸念があることから、JOLT求人件数の結果は注目されている。また、株式市場や金利動向には引き続き注目したい。