前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じて一時マイナス圏まで下落したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、その後日経平均株価が再び堅調な動きとなり、午後に入り上げ幅を拡大したことなどからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が上昇したことや、米長期金利が上昇を受けて、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
米国市場では、新規材料に乏しい中ドルは序盤から限定的な動きとなった。その後、米金利が上昇したことからドルは堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の安値の131.33から131.76まで上昇した。一方、ドイツIFO指数が1年ぶりの高水準となったことや、ECB当局者のタカ派発言を受けて、ユーロはドルや円に対して堅調な動きが続いた。
米株式市場では、経営破綻した米銀行の買収報道や、米当局が緊急融資制度など地銀への支援策を検討していると伝わったことを好感して、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、米長期金利が上昇したことでPERの高いハイテク株を中心に売りが出たことから、ナスダックは下落に転じて軟調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比326ドル高まで上昇した。ただ、終盤には上げ幅を縮小して194.55ドル高(+0.60%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、上昇後にマイナス圏まで下落して55.12ポイント安(-0.47%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開で始まった。上昇して始まった日経平均株価が下落に転じて一時25円安まで下落したことからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が再びプラス圏に持ち直したことや、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことを受けて、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
(2)上昇一服後、上値の重い動きとなったものの、午後に入り日経平均株価が上げ幅を拡大して前週末比158円高まで上昇したことや、時間外取引で米10年債利回りが3.361%から3.407%まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は130.50から131.58まで上昇した。ドイツIFO指数が1年ぶりの高水準となったことや、ECB当局者のタカ派発言を受けて、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、ドルは序盤から限定的な動きとなった。その後、米2年債入札が低調な結果となったことを受けて米金利が上昇したことからドルは堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の安値の131.33から131.76まで上昇した。一方、ユーロは終盤までドルや円に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、金融システムへの過度な懸念後退や米金利の上昇を背景にドル円・クロス円は堅調な動きとなったが、東京市場では利益確定やポジション調整の動きが先行して序盤から軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は再び底固い動きが予想されている。
本日の米国市場では、リッチモンド連銀製造業指数、消費者信頼感指数の発表が予定されており、前者は3ヵ月連続のマイナスが予想されており、後者は前回から低下が予想されている。ただ、マーケットでは金融システム懸念が注目されており、昨日の報道で不安が和らいでいるとの見方も広がっていることから、新たな懸念がなければ底固い動きが予想されている。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲下限ラインを下抜けて一段の下げとなった。一目均衡表では、三役逆転(基準線と転換線がクロス、遅行スパンが価格帯を下抜ける、価格が雲下限を下抜ける)の弱気シグナルとなっており、ここから一段の下げとなるのか、底固い動きとなるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小傾向であることから、ここから更に乖離幅の縮小が続いて両線がクロスして堅調な動きを示唆する形状となるのか注目したい。また、日柄的には31日はここまでの流れが加速・反転する可能性が高まる日柄であることから、この近辺での動きにも注目したい。
目先の下値のポイントは、直近安値の129.637となり、ここを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられる。一方、上値のポイントは雲下限ラインの131.805と考えられる。