前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場で上昇した流れが一服し、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことや、日経平均株価が上昇したことから、クロス円も底固い動きとなった。ただ、欧州時間でも米長期金利の低下が続いたことで、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米国市場では、金融システム不安を巡る警戒感が根強く、序盤からリスク回避の円買いが優勢となった。さらに、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことや、期待インフレ率が低下したこともドルの圧迫要因となった。ドル/円は、一時131.56まで下落し、2/14以来の安値を更新した。
米株式市場では、米銀行の破綻やスイス金融大手の経営危機を背景に、金融システムへの不安に伴うリスク回避の売りが優勢となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比517ドル安まで下落した。終盤に下げ幅を縮小し、384.57ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、86.77ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場で、経営不安の米地銀に大手銀行11行が支援を表明したとの報道を受けて、金融不安への懸念が和らいだことでドル円・クロス円が上昇した海外市場の動きが一服し、ドル/円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、支援報道を受けて上昇した米地銀株が時間外取引で大幅下落となったことが圧迫要因となった。一方、前日にECBが大幅利上げを決定したこともあり、ユーロは底固い動きとなった。また、海外の株高を背景に日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったこともあり、その他のクロス円も堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、時間外取引の米長期金利の低下が続いたことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。一方、欧州通貨は対ドルで堅調な動きとなったが、対円では上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。金融システム不安を巡る警戒感が根強く、リスク回避の円買いが優勢となった。また、序盤に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことや、期待インフレ率が低下したこともドルの圧迫要因となった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが欧州時間の3.571%から3.378%まで低下したことも加わり、ドル/円は序盤の高値132.74から131.56まで下落し、2/14以来の安値を更新した。
本日のトピックス
金融システム不安を巡る問題では、資金供給などの支援が広がっているが、依然として金融システム不安を巡る警戒感が根強く、神経質な展開が続くと見られている。さらに、今後新たに破綻や経営不安が報道される場合には、金融システム不安がさらに高まる可能性もあり、完全に落ち着くまでは神経質な動きが続く可能性も考えられる。
今週は、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の会見、英中銀の金融政策発表が予定されており、ともに利上げ幅などが注目されている。また、金融システム不安が高まったことに対するFRB議長の見解や、金融政策に影響するのかなど、会見での発言にも注目が集まっている。そのため、発表までは様子見ムードが高まる可能性も考えられる。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないこともあり、限定的な動きが続く可能性も考えられる。