前営業日トピックス
東京市場では、時間外取引で米長期金利が低下したこと受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、日経平均株価が序盤から上昇となり、前日比400円超上昇したことや、対ドルで上昇したことから、欧州通貨や資源国通貨は堅調な動きとなった。その後、ドル円・クロス円は底固い動きが続いたものの、欧州時間に入ると米長期金利が低下したことを受けて、ドルは一段の下落となり、ドル/円の下落に連れてクロス円も軟調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利の低下を手掛かりにドルは序盤から主要通貨に対して下落した。その後、2月の米ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことを好感し、ドルは上昇に転じた。ただ、米長期金利が再び低下したことや、週末のポジション調整もあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
米株式市場では、前日の米当局者のハト派発言を受けて、FRBの利上げ長期化観測が後退したとの見方が広がり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、2月米ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことや、米長期金利が低下したことも支援材料となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、終盤に一時前日比402ドル高まで上昇した。引けにかけてやや上げ幅を縮小したものの、387.40ドル高(+1.17%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、226.03ポイント高(1.97%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は序盤の136.78から136.50まで下落するなど上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで上昇したことや、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、400円超上昇したこともあり、下げ一服後は底固い動きとなった。
(2)午後に入ると、米長期金利が低下幅を拡大したことから、ドルは上値の重い動きが続いたが、クロス円は対ドルで堅調な動きとなったことや、日経平均株価が上げ幅を拡大したことから、堅調な動きが続いた。しかし、欧州時間に入ると、米長期金利が一段の低下となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円の下落に連れてクロス円も軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、米長期金利の低下を手掛かりにドルは序盤から主要通貨に対して下落した。その後、2月の米ISM非製造業景況指数が市場予想を上回り、さらに新規受注が2021年11月以来、雇用が2021年12月以来の高水準となったことを受けてドルは上昇に転じた。ドル/円は、序盤の安値135.81から136.42まで上昇した。
(4)上昇一服後、米長期金利の指標となる米10年債利回りが再び下落に転じ、4.024%から3.951%まで低下したことや、週末のポジション調整も加わり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。ドル/円は、終盤にかけて再び軟調な動きとなり、135.75まで下落した。
本日のトピックス
今週は、パウエルFRB議長の議会証言(7日、9日)、週末の米雇用統計(10日)や雇用統計を控えた米経済指標の発表が注目されており、結果を受けて米金融政策に関する思惑が交錯して動きが出ることが予想されている。さらに、衆院で日銀の正副総裁人事案の採決(9日)が予定されていることや、日銀金融政策決定会合(9ー10日)が予定されている。特に、黒田日銀総裁にとって最後の金融政策決定会合であることから、一部では政策変更への思惑もあり、こちらも注目されている。
本日の米国時間では、耐久財受注の発表が予定されているが、確報の発表であり速報ほどマーケットの注目度は高くないことから、反応は限定的と考えられる。また、明日から重要なイベントを控えていることもあり、方向性の乏しい動きが予想されている。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ド/ル円は、一目均衡表の雲を上抜けたものの、上値の重い動きが続いている。ここから堅調な動きとなるのか、軟調な動きに転じるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小が続いており、両線がクロス目前となっている。両線がクロスする場合には、目先の軟調な動きを示唆する形状となることから、両線の形状に注目したい。
目先の下値のポイントは、一目均衡表の雲上限ラインとなり、雲上限ラインを下抜ける場合には、一目均衡表の基準線が次の重要なポイントとなる。基準線は、本日132.588に位置しており、9日まで横ばいが続くが、10日には132.710、週明け13日には133.445まで上昇する(直近高値の137.091を上回る場合にはさらに上昇)。このタイミングで基準線を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。
一方、上値のポイントは直近高値の137.091となり、ここを上抜ける場合には138.172が次の上値のポイントとなる。