前営業日トピックス
東京市場では、米FRBの利上げ長期化観測を背景に、序盤からドル買いが優勢となった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は堅調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、対円ではドル/円の上昇に連れ高となった。その後の欧州市場では、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は昨年12/20以来の135円台を回復した。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。米長期金利が低下したことや、米国が3連休を控えたポジション調整のドル売りが優勢となり、ドルは主要通貨に対して下落が続いた。
米株式市場では、FRBによる利上げ長期化観測が引き続き圧迫要因となり、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。下げ一服後は、値頃感の買い戻しなどもありダウはプラス圏を回復したが、ナスダックは続落となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比179ドル安まで下落したものの、その後は買い戻しが優勢となり、終盤に149ドル高まで上昇した。引けにかけて若干上げ幅を縮小したものの、129.84ドル高(+0.39%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、68.56ポイント安(-0.58%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で物価関連の米経済指標が市場予想を上回ったことを受けて、東京市場でも序盤から主要通貨に対してドルは堅調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、対円ではドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は序盤の133.70から134.69まで上昇した。
(2)その後、やや上値の重い動きとなったものの、米国の利上げ長期化観測から、ドルは午後に入り再び堅調な動きとなり、ドル/円は一時134.81まで上昇して年初来高値を更新した。さらに、米国のインフレの高止まりや、複数の米当局者らのタカ派発言が続いていることで、FRBの利上げが長期化するとの見方が広がっていることもあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続き、欧州時間にドル/円は一時135.10まで上昇して昨年12/20以来の高値を更新した。
(3)米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.897%から3.809%に低下したことや、米国が3連休を控えていることからポジション調整のドル売りが優勢となり、ドルは主要通貨に対して下落が続いた。ドル/円は、序盤の134.86から134.11まで下落した。
本日のトピックス
先週末までは、米国のインフレ率や金利動向に左右される動きが続き、ドル/円は一時2ヵ月ぶりに135円台を回復する場面もあった。しかし、その後ドルは下落しており、依然としてFRBの利上げペースは減速に向かうとの見方や、日銀の金融政策修正への思惑があり、上値を重くしているとも考えられる。その中で、今週はFOMCの議事要旨の公表(22日)や米GDP改定値(22日)、日本の消費者物価指数(24日)の発表もあり、結果を受けたマーケットの動きが注目されている。
本日の海外市場では、米国がプレジデンツ・デーの祝日のため、主要市場が休場となることから、市場参加者が少なく手掛かり材料に乏しいことから、限定的な動きが予想されている。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、上値のポイントであった一目均衡表の雲下限ラインを上抜けて、雲の中の動きとなっている。さらに、次の上値のポイントであるレジスタンスの134.774を一時上抜けたものの、この近辺で上値の重い動きとなっている。ここから134.774を完全に上抜けて、151.945からの下落トレンドからの転換を示し、一段の上昇となるのか注目されている。
一方、目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線がゼロポイントを上抜けており、上昇継続を示唆する形状となっている。ただ、両線の乖離幅が小幅縮小していることから、縮小が続くようなら先行するラインが鈍化して一旦調整となる可能性も考えられる。ただ、再び乖離幅を拡大するようなら、次の上値のポイントである一目均衡表の雲上限を目指す展開も考えられる。