前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円が序盤から堅調な動きとなった。特に、五・十日で実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、仲値通過後はドル売りが出て、ドル/円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、植田元日銀審議委員を日銀の新総裁に起用との報道を受けて円買いが優勢となったが、その後に植田氏が現在の緩和策の継続に言及したことで円買いが一服して値を戻す動きとなった。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。序盤に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことや、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、序盤の130.58から131.60まで上昇した。
米株式市場では、FRBによる金融引き締め長期化懸念を背景に、序盤は軟調な動きとなった。序盤に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことから底固い動きとなり、さらに原油高を背景にエネルギー関連株が買われたことがダウ平均を押し上げ、169.39ドル高(+0.50%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利の上昇を受けて軟調な動きが続き、71.46ポイント安(-0.61%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、五・十日に当たり、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル/円は序盤の131.37から131.89まで上昇した。
(2)上昇一服後は、米長期金利が低下したことや、来週に米消費者物価指数、日銀の正副総裁人事の公表を控えて様子見ムードもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、日銀次期総裁の有力視されている雨宮副総裁が、財務金融委員会で現在の金融緩和を維持することが適当との見解を示したものの、反応は限定的だった。欧州時間の序盤に、植田元日銀審議委員を日銀の新総裁に起用する人事を固めたとの報道や、本命視されていた雨宮副総裁は辞退したとの報道を受けて、円買いが優勢となった。その後、植田氏が現在の緩和策の継続に言及したことで円買いが一服して値を戻す動きとなった。
(3)米国市場では、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。序盤に発表されたミシガン大消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことや、注目されている1年先の期待インフレ率が上昇したことを受けて米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.671%から3.749%まで上昇したことに合わせ、ドルも主要通貨に対して上昇となった。ドル/円は、序盤の130.58から131.60まで上昇した。
本日のトピックス
先週は、日銀の総裁人事に関する報道に加え、次期総裁候補の発言を受けて、ドル円・クロス円は乱高下となった。現在、値動きはやや落ち着きを取り戻しているものの、神経質な展開が続く可能性も考えられる。
今週は、日銀の正副総裁の正式決定が予定されているが、先の報道通りの決定が確実視されており、ここから新総裁が具体的にどのような政策を進めていくのか、その方針に注目が集まっている。一方、14日に米国の消費者物価指数の発表も予定されており、物価の動向で利上げペースがどうなるか思惑が交錯することが予想されている。また、本日は欧米の主要な経済指標の発表がないことから、発表までは限定的な動きが続く可能性も考えられる。