前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、一時128.17円まで下落して1/19以来の安値を更新した。ただ、下げ一服後は底固い動きとなり、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。欧州時間では、米長期金利が上昇したことや、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国時間では、ECBが理事会で0.50%の利上げを決定したこと受けて、ユーロは主要通貨に対して上昇した。しかし、ラガルドECB総裁が会見で、利上げ後は政策を評価するとしたことで、利上げ休止が意識されるとの見方が広がり、ユーロは売りが優勢となった。一方、ドルは対ユーロで上昇したことから、対円でも一時堅調な動きとなったものの、米長期金利の低下を受けて下げる場面もあった。
米株式市場では、序盤に発表された米失業保険申請件数が約9ヵ月ぶりの低水準となったことから、FRBの利上げが長期化して景気後退に陥るとの懸念が広がり、ダウ平均株価は序盤から軟調な動きとなった。一方、ナスダックはハイテク大手の良好な四半期決算などが好感され、序盤から堅調な動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前日比278ドル安まで下落した。その後は持ち直して一時プラス圏を回復する動きが見られたものの、終盤に再び上値の重い動きとなり、39.02ドル安(-0.11%)で終了した。一方、ナスダックは.384.50ポイント高(3.25%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、パウエルFRB議長の発言がハト派的と受け止められてドルが主要通貨に対して下落した海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、前日比125円高まで上昇した日経平均株価が8円安まで下落したことも影響した。ドル/円は一時128.18まで下落して1/19以来の安値を更新した。下げ一服後は、値頃感の買い戻しや、仲値公示にかけて実需のドル買いなどもあり、ドル/円は128.76まで値を戻した。
(2)午後に入り、低下していた米長期金利が上昇したことから、ドルは底固い動きとなった。また、午後に入り日経平均株価が再び堅調な動きとなったこともドル円・クロス円の下支え要因となった。欧州市場では、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)ECBが理事会で0.50%の利上げを決定し、3月も0.50%の利上げを実施する意向を示したこと受けて、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、ラガルドECB総裁が会見で、利上げ後は政策を評価するとしたことで、利上げ休止が意識されるとの見方が広がり、ユーロは売りが優勢となった。さらに、欧州債利回りが大幅に低下したことも加わり、ユーロ/ドルは序盤の高値1.1004から1.0885まで下落した。一方、ドルは対ユーロで上昇したことから、対円でも一時堅調な動きとなったものの、米長期金利の低下を受けて下げる場面もあった。また、英中銀の金融政策発表では、MPCのメンバー2人が据え置きを支持したことや、追加の利上げに言及しなかったことがハト派的と解釈されてポンドも軟調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日のECB理事会や英中銀の金融政策発表で利上げを決定されたものの、声明や会見がともにハト派的と解釈され利上げ休止が意識されるとの見方が広がり、ユーロやポンドは軟調な動きとなった。この流れを受けて、ポンドやユーロは引き続き上値の重い動きが続く可能性が考えられる。
本日の米国市場では、米雇用統計の発表が予定されているが、先に発表されたADP雇用統計が悪化したことから、雇用統計の結果が注目されている。そのため、結果発表までは様子見ムードが強まり、限定的な動きが続く可能性も考えられる。
2/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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19.0万人 | 22.3万人 |
前回は市場予想を上回ったものの、前月からは伸び幅が縮小した。ただ、引き続き労働市場の底固さが見られた。今回は、伸び幅の縮小が予想されており、先に発表されたADP雇用統計が予想以上の縮小となったことから、下振れへの警戒感もある。 |