前営業日トピックス
日本市場が休場となる中、前週末の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は底固い動きとなり、さらに中国のゼロコロナ政策の終了が発表されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、FRBの利上げの長期化観測が後退したことが引き続き材料視され、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドルは、対ユーロで昨年6/9以来の安値を更新し、さらに米長期金利の低下も加わりドル/円は序盤の高値132.29から131.53まで下落した。
米株式市場では、FRBによる利上げ長期化への懸念が後退したことで上昇した前週末の流れを引き継ぎ、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均は、前週末比に300ドル超上昇となり、2日間で1000ドル超の上昇となったことから、上昇一服後には利益確定売りが優勢となり、終盤にはマイナス圏まで下落した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利が低下したことが下支え要因となり、プラス圏を維持して終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が休場で新規材料に乏しい中、前週末の流れを引き継ぎドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は序盤の高値132.29から131.31まで下落し、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したものの、ドル/円の下落に連れて上値の重い動きとなった。
(2)下げ一服後は底固い動きとなり、ドル/円は前週末の雇用統計発表前の高値から3円以上の下落となったことから、値頃感の買い戻しが優勢となった。さらに、中国がゼロコロナ政策の終了を発表したことでリスク選好の動きも加わり、ドル/円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間では、時間外取引で米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は一時132.66まで上昇した。ただ、前週末の下落からの戻りは限定的だった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、前週末の米雇用統計で賃金の伸びが低下したことや、米ISM非製造業景況指数が2020年5月以来の50割れとなるなど、米経済指標の冴えない結果を受けてFRBの利上げの長期化観測が後退したことが引き続き材料視され、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドルは、対ユーロで昨年6/9以来、対豪ドルでも8/30以来の安値を更新した。さらに、米長期金利の米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.596%から3.506%まで低下したことも加わり、ドル/円は序盤の132.29から131.53まで下落した。
本日のトピックス
先週末の米雇用統計で失業率や雇用者数の伸びが予想より良好な結果となったものの、賃金の伸びが悪化したことや、その後に発表されたISM非製造業景況指数が冴えない結果となったことから、ドルは大幅な下落となった。昨日は値を戻す動きが見られたものの、上値は限定的となった。マーケットでは、12日の12月の米消費者物価指数の発表に注目が移っており、物価の低下が確認されれば利上げ長期化観測の後退の思惑がさらに高まる可能性もあることから、発表までは様子見ムードが強まり、限定的な動きが予想されている。
本日の米国市場では、主要な米国の経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されているが、米金利が大きく動きが出るようなら、ドルの敏感に反応する可能性もあるだろう。