前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことに加え、日米の金利差の拡大観測を背景にドル買い・円売りが優勢となったことも影響した。上昇一服後は、利益確定の動きなどもあり、上値の重い動きとなった。欧州時間に入り、米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利の上昇を背景にドルは主要通貨に対して序盤から堅調な動きとなった。さらに、リッチモンド連銀製造業指数が予想外のプラス改善となったことも好感され、ドル/円は序盤の133.49から134.50まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨はドル/円の上昇に連れて対円で序盤から堅調な動きとなったが、終盤にかけて米主要株価指数が下げ幅を拡大したことから上値の重い動きとなった。
米株式市場では、主要株価指数は序盤から上昇して始まったものの、FRBの金融引き締め継続に伴う米経済の先行き不安に加え、新型コロナウイルスに対する規制を緩和した中国で再び感染が拡大しているとの報道を受けて、主要株価指数は下落に転じて下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比137ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて下げ幅を拡大し、365.85ドル安(-1.10%)で終了した。一方。ハイテク株中心のナスダックは、139.94ポイント安(-1.35%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は序盤の133.40から134.40まで上昇した。
(2)その後は上昇一服となり、上昇していた米長期金利が低下したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。低下していた米長期金利が上昇に転じたことに合わせ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、リッチモンド連銀製造業指数が予想外の8ヵ月ぶりのプラス改善となったことも好感され、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、序盤の133.49から134.50まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨はドル/円の上昇に連れて対円で序盤から堅調な動きとなったが、終盤にかけて米主要株価指数が下げ幅を拡大したことから上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなっている。さらに、時間外取引の米長期金利が低下したこともドルの圧迫要因となっている。年末を控えて取引を手控える市場参加者も多くなる中で、想定外の動きを警戒する見方もあり、神経質な展開が続く可能性も考えられる。
本日の米国市場では、米新規失業保険申請件数の発表が予定されているが、市場予想から乖離する結果とならなければ、反応は限定的と見られている。
12/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(12/24までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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22.5万件 | 21.6万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、前週から増加となった。労働需給の不均衡による賃金上昇圧力が続き、労働者確保が難しくなっていることから人員削減に消極的になっていることが影響し、低水準が維持されていると見られている。今回は、前週から増加が予想されているものの、予想と乖離する結果とならなければ反応は限定的と見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、130.567まで下落した後は底固い動きが続いている。ここから、高値の151.945からのトレンドラインを上抜けて一段の上昇となるのか、前回同様にトレンドライン近辺で上値を抑えられて軟調な動きが続くのか注目される。
目先の上値は、151.945からのトレンドライン、一目均衡表の基準線近辺がポイントと考えられる。一目均衡表の基準線は、相場の方向性を示すとされており、基準線を下抜けてからは基準線の動きに合わせて下落が続いている。現在、基準線は135.230に位置しており、再び価格帯に近づいている。
基準線は、年明けの1/4までは横ばいが続くが、1/5には134.37まで低下することから、このタイミングで上抜けて流れを変えることができるのか注目されている。
一方、下値のポイントは直近安値の130.567となり、ここを下抜けると一段の下落となる可能性が考えられる。
気まぐれ投資コラム
2022年のドル/円は歴史的な動き
2022年のドル/円は、1月と2月は小動きとなり、滑り出しは非常に緩やかな展開となった。ただ、その後は3月から10月までは途中下げる月もあったが、年初の1/24の113.47から10/21の151.95まで38.48円幅上昇し、2000年以降で最大の変動幅を記録した。しかし、高値から12/20までの約2ヵ月で21.38円の下落となり、上げ幅を縮小した。なお。月ベースの平均変動幅(高値−安値)は7.36円となった。
※出所:SBILMがデータを基に作成
※出所:SBILMがデータを基に作成