前営業日トピックス
前週末に、日銀が大規模緩和政策の物価目標の見直しを検討しているとの報道を受けて、週明けの東京市場ではギャップダウンで始まった。その後、値を戻す動きが見られたものの、日経平均株価が360円超下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。欧州市場では、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米長期金利の上昇が続いたことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時137.17まで上昇した。一方、クロス円はドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。ただ、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことから、終盤には上値の重い動きとなった。
米株式市場では、FRBの金融引き締め長期化観測を背景に、米企業業績が悪化するとの懸念から売りが優勢となった。さらに、米長期金利が上昇したことも圧迫要因となり、主要株価指数は下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前週末比118ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて下げ幅を拡大して一時338ドル安まで下落したが、引けにかけて下げ幅を縮小して162.92ドル安(-0.49%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、序盤から下落が続き159.38ポイント安(-1.49%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末に、政府・日銀が大規模緩和政策の物価目標の見直しを検討していると報じたことを受けて、東京市場では序盤から円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、値を戻す動きが見られたものの、日経平均株価が下落して始まり、一時361円安まで下落したことも加わり、再び軟調な動きとなった。ドル/円は、前週末の終値の136.64から135.77まで下落する動きとなった。
(2)その後は新規材料に乏しい中、上値の重い動きが続いた。欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、ドイツのIFO業況指数が良好な結果となったことから、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。欧州時間から米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.498%から3.599%まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、欧州時間に付けた安値の135.75から137.17まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったものの、対円ではドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。ただ、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことから、終盤には上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
先週末に、政府・日銀が大規模緩和政策の物価目標の見直しを検討しているとの報道を受けて昨日の東京市場では序盤から軟調な動きとなった。それを見極める上で、本日の日銀金融政策決定会合の結果発表、その後の黒田日銀総裁の発言に注目が集まっている。発言の内容次第で動きが出る可能性もあり、発言内容には注目したい。
海外市場では、11月の米住宅着工件数の発表が予定されており、前月からの減少が予想されており、予想通りの結果なら米景気の先行き不安が指摘される可能性もあるだろう。
12/20の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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140.0万件 | 142.5万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続の減少となった。8月に一時回復したものの、その後は再び住宅市場の減速が示されている。今回はさらに減少が予想されており、引き続き減速傾向が示されると見られている。特に、着工件数の先行指標となる許可件数が前月2020年6月以来の低水準に減少したことが影響していると思われる。 |