前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなったものの、時間外取引の米長期金利が上昇したことや、下落した日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったこと、さらに実需のドル買いに支えられ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。上昇一服後、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円の下落に連れてクロス円も上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が冴えない結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。ただ、その後は今週末から来週にかけて重要な経済指標の発表が予定されていることから積極的な売買が手控えられ、ドルは限定的な動きが続いた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇が続いたこともあり、対円でも堅調な動きとなった。
米株式市場では、FRBによる金融引き締めの長期化への警戒感から軟調な動きが続いた反動で、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、今週末から来週にかけて重要な経済指標の発表が控えていることから積極的な売買が手控えられ、全般的に限定的な動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比300ドル超上昇したものの、その後は上値の重い動きが続き、183.56ドル高(+0.55%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、123.45ポイント高(+1.13%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の軟調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。前日の海外時間にカナダ中銀が利上げサイクルの終了に近づいている可能性を示唆したことを受けて米長期金利が低下となったことが引き続き材料視された。
(2)下げ一服後は、序盤に前日比270円安まで下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、海外時間に低下した米長期金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも加わり、ドル/円は安値の136.24から137.24まで上昇した。
(3)上昇一巡後は、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したものの、対円ではドル/円の下落に連れて上値の重い動きが続いた。
(4)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数、失業保険継続受給者数がともに前週から増加したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。ただ、その後は翌日に米生産者物価指数、来週に消費者物価指数とFOMCの結果発表を控えて様子見ムードも強まっており、ドルは限定的な動きが続いた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇が続いたこともあり、対円でも堅調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の米国市場では、今晩発表予定の生産者物価指数、来週の消費者物価指数、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まっており、限定的な動きとなった。東京市場では、序盤から日経平均株価が前日比300円超上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなる場面もあったが、週末のポジション調整の動きなどもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
本日の米国時間では、11月の米生産者物価指数、12月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されている。マーケットでは、米消費者物価指数の結果を受けてFRBの金融政策の変化に注目されているが、今回は消費者物価指数の前に生産者物価指数が発表されることから、消費者物価指数を予想する上で生産者物価指数の注目度が高まっている。そのため、生産者物価指数の結果を受けて動きが出る可能性も考えられる。
12/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月生産者物価指数(前年比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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7.2% | 8.0% |
前回は市場予想を下回り、2021年7月以来の低水準となり、インフレ圧力が緩和し始めていることが示された。食品とエネルギーは値上がりしたものの、サービスは2020年以来のマイナスとなり、また貿易や輸送などでコストが低下したことなどが影響した。今回は、さらに低下が予想されており、また今回は米消費者物価指数より早く発表されることから、注目度も高まっている。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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57.0 | 56.8 |
前回は市場予想を上回ったものの、4月以来の高水準を回復した10月の結果から再び低下した。依然としてインフレ率が高水準を維持していることが消費者のマインドを圧迫している。ただ、その中でガソリン価格が低下したことなどが下支え要因となったとの見方もあった。今回の12月の速報は、前月から小幅上昇が予想されており、底固さが示されるのか注目されている。 |