前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。五・十日に伴い仲値公示にかけて実需のドル買いも観測され、ドル/円は一時134.77まで上昇した。しかし、その後ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円でも一段の下落となった。しかし、欧州時間に入り再びドル買いが優勢となり、ドル/円は135.54まで上昇した。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後に発表された11月の米ISM非製造業景況指数が予想外の改善となったことや、FRBはFF金利を5%以上へ引き上げることを検討し、予想以上に政策金利が上昇する可能性との報道も加わり、ドルは一段の上昇となり、ドル/円は136.86まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、対円ではドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。
米株式市場では、FRBが金融引き締めを継続するとの警戒感が引き続き材料視され、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、11月のISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことが金融引き締めの長期化観測を後押ししたことも圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きが続き、終盤に一時前日比583ドル安まで下落した。引けにかけて下げ幅を縮小したものの、482.78ドル安(-1.40%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、221.56ポイント安(-1.93%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は序盤の安値134.34から134.77まで上昇した。ただ、上昇一服後、ドルは主要通貨に対して下落となり、対円でも134.13まで下落した。
(2)午後に入り、ドルは対円で底固い動きとなったものの、欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きが続いた。ただ、欧州時間では米長期金利が再び上昇したことに合わせてドル/円は135.54まで上昇した。一方、ECBの当局者が「12月は0.50%の利上げの確率が高い」とし、「12月に0.50%の利上げなら追加利上げの可能性も」との見方を示したことを受けて、ユーロはドルや円に対して上昇となり、対ドルでは一時1.0595まで上昇し、6/28以来の高値を更新した。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、米長期金利の上昇に伴いドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後に発表された11月の米ISM非製造業景況指数が予想外の改善となったこともドルの支援材料となった。さらに、FRBはFF金利の誘導目標を5%以上へ引き上げることを検討し、予想以上に政策金利が上昇する可能性との報道を受けて、ドルは一段の上昇となった。また、米長期金利の指標となる米10年債利回りが、3.509%から3.610%まで上昇したことも加わり、ドル/円は序盤の135.02から136.86まで上昇した。一方、ユーロは欧州時間に対ドルで6/27以来の高値を更新したが、その後はドルに対して軟調な動きが続いたものの、対円ではドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日発表されたISM非製造業景況指数が予想外の上昇となり、景気後退が懸念される中で良好な結果となったことで、米FRBの利上げ継続観測から米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドルは序盤から主要通貨に対して上値の重い動きとなったが、下値は限定的で底固い動きとなっており、引き続き底固い動きが続くと予想されている。一方、欧州通貨や資源国通貨は、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じたことも下支え要因となり、対円で底固い動きとなっている。
本日の米国市場では、10月の米貿易収支の発表が予定されており、赤字額の拡大が予想されているが、反応は限定的と見られている。また、FOMCを来週に控えてブラックアウト期間であり、米当局者の発言もないことから、新規材料に乏しくなることも予想されるが、思惑の交錯から米金利に動きが出ればドルの動きにも影響する可能性もあり、金利の動きには注目したい。
12/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-800億USD | -733億USD |
前回は、赤字額が前月比+11.6%と市場予想を上回る赤字額となり、6ヵ月ぶりの増加となった。輸出が減少した上に輸入が増えたことで赤字が膨らんだ。今回は、さらに赤字額の増加が予想されている。 |