前営業日トピックス
東京時間では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなる場面もあったが、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時630ドル超下落したことからドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の148.40から147.69まで下落した。欧州時間に入り、円が買われたことからドル円・クロス円は一段の下げとなり、ドル/円は一時147.54まで下落した。ただ、その後は様子見ムードも強く、小動きの展開が続いた。
米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことを受けてドルが買われ、ドル/円は一時148.22まで上昇した。しかし、失業率が悪化したことで労働市場の緩みが示されたとの見方からドルは下落に転じ、さらに、米当局者が利上げペースの減速について言及したことを受けて、米長期金利の低下とともに、ドルは主要通貨に対して下落した。その後、米長期金利が持ち直したことから、ドルも値を戻す場面もあったが、終盤にかけて再び軟調な動きとなった。
米株式市場では、序盤から軒並み堅調な動きとなったものの、米長期金利が上昇したことを受けて、主要3指数はマイナス圏まで下落した。その後、米金融当局者が利上げペースの減速について言及したことや、米長期金利が低下したことを受けて、終盤に再び堅調な動きとなり、米主要株価指数は5営業日ぶりに反発となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比610ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時62ドル安まで下落した。しかし、終盤にかけて再び堅調な動きとなり、401.97ドル高(+1.26%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、132.31ポイント高(+1.28%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)休場明けの東京市場では、円買いが先行してドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。下げ一服後は、米国のターミナルレートが予想よりも引き上げられるとの見方が改めて意識されて、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は147.98から148.40まで上昇した。その後、日経平均株価が序盤から大幅下落となり、一時前日比631円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は再び軟調な動きとなった。
(2)その後も上値の重い動きとなり、時間外取引で米長期金利さらに低下したことも圧迫材料となり、ドル/円は147.69まで下落した。ただ、欧州時間に入ると、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードも強まり、小動きの展開が続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことを受けてドルが買われ、ドル/円は雇用統計発表直前の147.80から148.22まで上昇した。しかし、失業率が上昇したことで労働市場の緩みが示されたとの見方が広がり、ドルは下落に転じた。さらに、複数の米当局者が利上げペースの減速について言及したことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の4.202%から4.099%まで低下したことに伴い、ドルは主要通貨に対して下落、ドル/円は146.56まで下落した。
(4)米長期金利が持ち直したことから、ドルも値を戻す場面もあったが、終盤にかけて再び軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことや、マイナス圏まで下落していた米主要株価指数が再び上昇したことも加わり、対円でも堅調な動きとなった。
本日のトピックス
先週末に米雇用統計の結果発表が終了したことから、マーケットの注目は10日に発表予定の10月の米消費者物価指数に移っている。米雇用統計発表後に、米金融当局者が利上げペースの減速について言及したこと受けて、ドルが下落したこともあり、消費者物価指数の結果次第ではFRBの利上げペースに関する思惑が交錯する可能性もあり、注目されている。
10日までは、米国の主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが続く可能性も考えられる。本日の米国市場では、主要な米経済指標の発表がないことから、米株式市場や米長期金利の動きが注目されている。