前営業日トピックス
日本市場が休場となる中、北朝鮮がミサイルを発射したこと受けて、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、その後は小動きの展開が続いたが、欧州時間に入ると米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。
米国市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が改善し、労働市場の堅調さが示されたことを受けて、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。しかし、その後に発表されたISM非製造業景況指数が冴えない結果となったことや、米長期金利が低下したことを受けて、ドル/円は147.61まで下落した。ただ、FRBの利上げ継続観測も根強く、その後は再びドルは堅調な動きとなり、ドル/円は148.36まで値を戻す動きとなった。
米株式市場では、FRBの金融引き締めが長期化するとの警戒感から、リスク回避の売りが先行した。下げ一服後は米雇用統計の発表を控えたポジション調整の買い戻しなども見られたが、主要3指数は4営業日続落となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前日比420ドル安まで下落した。その後はプラス圏を回復して一時37ドル高まで上昇したものの、終盤に再びマイナス圏まで下落して146.51ドル安(-0.46%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは181.86ポイント安(-1.73%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が休場となる中、北朝鮮が3発のミサイルを発射したことを受けて、マーケットではリスク回避の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤に付けた高値の148.00から147.12まで下落した。ただ、その後は日本市場が休場で薄商いの中、小動きの展開が続いた。
(2)欧州時間に入ると、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円でも堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、労働市場の堅調さが示されたことを受けて、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。しかし、その後に発表されたISM非製造業景況指数が2020年5月以来の低水準となり、さらに10/25以来の高水準まで上昇していた米10年債利回りが低下したことも加わり、ドルは下落に転じた。ドル/円は序盤の高値の148.45から147.61まで下落した。
(4)FRBの利上げ継続観測が根強く、その後は再びドルは堅調な動きとなり、ドル/円は148.36まで値を戻す動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、米経済指標が冴えない結果となったにもかかわらず、FRBが利上げを継続するとの見方が根強く、米長期金利の指標となる米10年債利回りが10/25以来の高水準まで上昇したこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日は、米国の雇用統計の発表が予定されており、結果が注目されている。最近の米雇用関連の経済指標結果では、景気後退観測が指摘されているものの、労働市場の堅調さが示される結果が続いている。今回、非農業部門雇用者数は前月から伸び幅の縮小が予想されているものの、大幅な伸び幅の縮小とならず、利上げ継続の正当性が確認さたとの見方が広がれば、ドルの押し上げに寄与する可能性も考えられる。
11/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
10月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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19.5万人 | 26.3万人 |
前回は市場予想を上回ったものの、8月の結果から伸び幅が縮小した。ただ、労働市場の堅調さが示されたとの見方が広がった。一方、失業率が約50年ぶりの低水準に並んだことも影響した。今回はさらに伸び幅の縮小が予想されているが、大幅な縮小とならなければ、労働市場は底固いとの見方が維持されると見られている。 |