前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から限定的な動きとなった。その後、上昇して始まった日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、欧州時間にかけて米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、クロス円もドル/円の下落に連れて下落した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み市場予想を上回ったことを受けて、FRBの積極的な金融引き締め姿勢が維持されるとの見方が広がり、米長期金利の上昇とともに、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後、日本当局の介入警戒感に加え、中東での地政学リスクの高まりなどが警戒されて一時下振れする場面もあったが、下げは一時的に留まり、その後はFOMCの結果発表を控えて小動きの展開が続いた。
米株式市場では、FRBが利上げペースを鈍化させるとの期待を背景に主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、その後に発表された米経済指標が軒並み市場予想を上回る結果となったことで、FRBの積極的な金融引き締め姿勢が維持されるとの見方が広がり、主要株価指数は下落に転じた。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比242ドル高まで上昇した。その後は下落に転じて一時247ドル安まで下落したが、終盤にかけて下げ幅を縮小して79.75ドル安(-0.24%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、97.30ポイント安(-0.89%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは上値の重い動きとなった。ドル/円は序盤に148.83まで上昇したものの、海外時間に付けた148.85には届かなかった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。
(2)時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは上値の重い動きとなった。一方、豪中銀の金融政策発表を控えて、利上げが予想されていることから、豪ドルは堅調な動きとなった。予想通り利上げが決定されたものの、利上げ決定後は下落する動きも見られた。欧州時間では、米長期金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落となり、対円では146.99まで下落した。欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したものの、対円ではドル円の下落に連れて軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米10月のISM製造業指数、9月のJOLT求人件数、9月の建設支出が軒並み市場予想を上回ったことを受けて、FRBの積極的な金融引き締め姿勢が維持されるとの見方が広がり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.916%から4.075%まで上昇、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の147.00から148.27まで上昇した。
(4)その後、日本当局の介入警戒感に加え、中東での地政学リスクの高まりなどが警戒されて一時下振れする場面もあったが、下げは一時的に留まり、その後はFOMCの結果発表を控えて小動きの展開が続いた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したこともあり、対円ではやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
本日、日本時間3日午前3時にFOMCの結果発表が予定されており、0.75%の利上げがコンセンサスとなっている。ただ、すでに0.75%の利上げが織り込まれていることもあり、限定的な動きを予想する向きもある。また、今後の利上げペースについて協議されると予想されており、声明やFRB議長の会見での発言が注目されており、その内容次第で動きが出る可能性も考えられることから注目したい。発表までは、様子見ムードが強まり、限定的な動きが続くと予想されているが、発表が近づくと思惑が交錯して動きが出る可能性も考えられ、注意も必要だろう。
11/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
10月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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18.0万人 | 20.8万人 |
前回は市場予想を上回り、2021年1月以来の低い伸びとなった前月から伸び幅が拡大した。景気の先行き不安がある中で、労働需要の堅調さが示された。今回は、前月から伸び幅の低下が予想されているものの、小幅に留まると見られている。ただ、伸び幅の低下傾向が続くと見られている。 | ||||
3:00 | 米国 |
FOMC政策金利
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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3.75%-4.00% | 3.00%-3.25% |
前回は予想通り0.75%の利上げが決定されたものの、会見でパウエルFRB議長が米経済のソフトランディングは困難との認識を示したことから、ドルは高値から失速した。ただ、今後も積極的な利上げ方針を示したこともあり、底固い動きとなった。今回は、引き続き0.75%の利上げが予想されているが、今後の利上げのペースに関する声明や議長の会見での発言に注目したい。 |