前営業日トピックス
日経平均株価が序盤から大幅上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。豪中銀の金融政策発表では、市場予想を下回る利上げ幅となったことから、豪ドルは主要通貨に対して下落した。しかし、今後の追加利上げの可能性を示唆したことから値を戻す動きとなった。欧州市場では、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことから、欧州通貨は堅調な動きとなった。
米国市場では、8月の米JOLT求人件数が1年2ヵ月ぶりの低水準となり、労働市場の逼迫緩和の兆しが示されたことを受けて、FRBの大幅利上げ観測が後退するとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は143.90まで下落した一方、ユーロやポンドなどは対ドルで上昇したことや、米主要株価指数の上昇を受けて、対円でも底固い動きとなった。
米株式市場では、8月の米JOLT求人件数が市場予想を下回ったことを受けて、FRBの利上げペースが緩やかになるとの期待感から主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、終盤に一時前日比834ドル高まで上昇した。引けにかけて高値圏を維持したまま、825.43ドル高(+2.80%)で終了、終値ベースでは9/22以来の3万ドル台回復となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、360.98ポイント高(+3.34%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から大幅上昇となり、一時前日比778円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となった。なお、朝方北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射したものの、マーケットの反応は限定的だった。
(2)その後、米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。一方、豪中銀の金融政策発表では、市場予想を下回る0.25%の利上げが決定されたことから、豪ドルは主要通貨に対して下落した。ただ、声明で今後の追加利上げを示唆したことから値を戻す動きとなった。豪ドル/円は、利上げ発表後の安値の93.47から94.70まで上昇したものの、欧州時間では再び軟調な動きとなり、93.48まで下落する動きとなった。
(3)米国市場では、8月の米JOLT求人件数が2021年6月以来、1年2ヵ月ぶりの低水準となり、労働市場の逼迫緩和の兆しが示されたことを受けて、FRBの大幅利上げ観測が後退するとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の144.93から143.90まで下落した。一方、ユーロやポンドなどの欧州通貨は、対ドルで上昇したことや、米主要株価指数が軒並み大幅上昇となったことから、対円でも底固い動きとなった。ただ、豪中銀が利上げ幅を縮小させたことで利上げサイクルが終息に向かうとの見方が引き続き材料視され、ドルや円に対して上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、8月の米JOLT求人件数が1年2ヵ月ぶりの低水準となったことで労働市場の逼迫緩和の兆しが示され、FRBの大幅利上げ観測が後退するとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。予想以上の大幅な減少となったことで、今週末に発表される米雇用統計の結果に注目が集まるだろう。雇用統計が冴えない結果となる場合には、FRBの大幅利上げ観測の後退が再び意識される可能性も考えられる。さらに、昨日豪中銀の金融政策発表で、予想を下回り利上げ幅となったことも加わり、FRBのタカ派姿勢が和らぐとの見方も出ている。
本日の米国市場では、9月のADP雇用統計、9月のISM非製造業景況指数の発表が予定されており、冴えない結果となるようなら、昨日同様に利上げペースの減速が意識される可能性もあり、結果とマーケットの反応に注目したい。
10/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
9月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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20.0万人 | 13.2万人 |
前回は、新しい集計方法での統計発表となり、市場予想を下回り2021年1月以来の低い伸びとなった。インフレ高進と金利上昇の影響で雇用が鈍化していることが示された。今回は、前回から増加が予想されており、改善が予想されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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56.0 | 56.9 |
前回は市場予想を上回り、2ヵ月連続の上昇となり、4月以来の高水準となった。仕入価格が低下したものの、新規受注や雇用が上昇したことが影響した。今回は、前月から低下が予想されており、高インフレや金利上昇が依然として圧迫要因となると見られている。 |