前営業日トピックス
東京市場では、月末・四半期末でドルは仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともあり、ドルは底固い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことや、日経平均株価が一時600円超まで下げ幅を拡大したことから、対円で上値の重い動きとなった。欧州時間でもドルは主要通貨に対して堅調な動きが続き、対円でも堅調な動きとなったものの、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。
米国市場では、FRBが重視しているPCEコア・デフレーターが市場予想を上回り、前月からも上昇したことを受けて、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では序盤の144.81まで上昇したものの、円買い介入への警戒感から上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨は対ドルで下げ一服後持ち直したことから、対円でも終盤にかけて堅調な動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表されたPCEコア・デフレーターが市場予想を上回り、高い伸び率が続いたことで、FRBによる金融引き締めが継続するとの見方から投資家がリスク回避姿勢を強めた。また、主要中銀による急速な利上げで世界的な景気後退に陥るとの懸念から主要株価指数は下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤は底固い動きとなり、一時前日比130ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて500.10ドル安(-1.71%)で終了し、2020年11/6以来の安値となった。一方、ナスダックは161.89ポイント安(-1.51%)で終了し、2020年7/28以来の安値となった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から円売りが先行し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したことからドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、期末・月末の五・十日であり、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともドルの下支え要因となった。ただ、日経平均株価が序盤から下落したことから、クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比616円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなったことからドル/円は堅調な動きとなり、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落が続いたことから、対円でも軟調な動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された8月の米個人所得・支出統計で、FRBが重視しているPCEコア・デフレーターが市場予想を上回り、前月からも上昇したことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、日米の金融政策の違いが意識され、ドル/円は序盤の144.44から144.81まで上昇した。ただ、145円台に近付くと日本政府・日銀の円買い介入への警戒感から上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨は対ドルで下げ一服後に持ち直したことから、対円でも終盤にかけて堅調な動きとなった。また、資源国通貨は、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことや、エネルギー価格の下落が影響して、ドルや円に対して終盤まで軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
今週は、米経済指標の結果が注目される。週末に米雇用統計も予定されており、ここで米経済の堅調さが示される場合には、11月のFOMCでの大幅利上げの可能性が高まる可能性もあり、その場合にはドルの一段の上昇も考えられる。ただ、145円台では日本政府・日銀による円買い介入への警戒感も意識されることから、145円近辺では神経質な動きが予想されている。
本日の欧州市場では、ドイツやユーロ圏の製造業PMIの発表が予定されているが、確報であることから、速報から大幅な修正がなければ反応は限定的と見られている。また、米国市場では9月の米ISM製造業景況指数の発表が予定されており、雇用指数など結果に注目したい。
10/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月ISM製造業景況指数 ![]()
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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52.4 | 52.8 |
前回は市場予想を上回ったものの、前月から横ばいとなり、2020年6月以来の低水準が維持された。新規受注が3ヵ月ぶりに上昇したことや、雇用が2ヵ月連続の上昇したものの、生産が2020年5月以来の低水準となったことが影響した。今回は、前回から低下が予想されているが、27ヵ月連続で景気拡大・縮小の判断基準の50を上回ると見られている |