前営業日トピックス
休場明けの東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも圧迫要因となった。ただ、午後に入り、米長期金利が持ち直したことや、今週は主要国中銀の金融政策発表が予定されており、利上げが予想されていることから、低金利政策を継続する日本との金利差拡大観測も根強く、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに米長期金利が上昇となったことも加わり、ドルは主要通貨に対して一段の上昇となった。
米国市場では、FRBが3会合連続で0.75%の利上げを決定するとの観測を背景に、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通通貨に対して堅調な動きとなった。対円では、一時143.92まで上昇して9/14以来の高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の上昇に連れて序盤は対円で堅調な動きとなったものの、その後は対ドルで下げ幅が拡大したことや、米主要株価指数の下落が続いたことから上値の重い動きとなった。
米株式市場では、FRBが大幅利上げを継続して景気後退を招くとの懸念が根強く、米主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米長短金利の上昇も圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きが続き、一時前日比553ドル安まで下落した。終盤にかけて下げ幅を縮小し、313.45ドル安(-1.01%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、109.97ポイント安(-0.95%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。ただ、五・十日に伴い実需のドル買いが観測されたこともあり、仲値公示にかけてドル/円は底固い動きとなった。上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに序盤に前週末比339円高まで上昇した日経平均株価が60円高まで上げ幅を縮小したことも圧迫要因となった。
(2)午後に入り低下していた米長期金利が上昇に転じたことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、欧州時間でも米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となったが、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でもやや上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米住宅着工件数が予想以上の増加となったことからドルは堅調な動きとなった。さらに、FRBが3会合連続で0.75%の利上げを決定するとの観測を背景に、政策金利の動向に敏感な米2年債利回りが一時3.99%まで上昇して2007年10月以来約14年11ヵ月ぶり高水準となり、また米長期金利の指標となる10年債利回りが一時3.60%まで上昇して2011年4月以来の高水準となったことを受けて、ドルは一段の上昇となった。対円では、序盤の143.50から143.92まで上昇して9/14以来の高値を更新した。
(4)上昇一服後、米長期金利が低下したことから、ドル/円もやや上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の上昇に連れて序盤は対円で堅調な動きとなったものの、その後は対ドルで下げ幅が拡大したことや、米主要株価指数の下落が続いたことから上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
日本時間22日午前3時に予定されているFOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まり、発表までは限定的な動きが予想されている。ただ、海外時間に入ると思惑が交錯して動きが出るとの見方もあり、注意も必要だろう。FOMCでは、0.75%の利上げがコンセンサスとなっているが、マーケットではすでに織り込み済みとの見方がある。また、一部では1.00%の利上げ予想する向きもあり、結果を受けたマーケットの反応に注目したい。
また、米国時間では中古住宅販売件数の発表が予定されており、このところ住宅関連指標の冴えない結果が続いており、今回も減少が予想されている。ただ、昨日発表された住宅着工件数では、予想以上の大幅な増加となったこともあり、同じ8月の統計であることから、結果に注目したい。
9/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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470万件 | 481万件 |
前回は市場予想を下回り、2020年5月以来の低水準となった。6ヵ月連続の減少となり、住宅ローン金利の上昇と需要の減退で住宅市場の悪化が続いていることが示された。今回は、前月からさらに減少が予想されており、依然として在庫はタイトで、価格上昇が続いていることが影響すると見られている。 | ||||
3:00 | 米国 |
FOMC政策金利
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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3.00%-3.25% | 2.25%-2.50% |
FRBはFOMCで0.75%の利上げを行うとの見方が優勢となっている。先月までは、インフレがピークに達したとの見方に加え、景気後退懸念の高まりを背景に0.25%か0.50%の利上げ観測がコンセンサスとなっていた。しかし、FRBが景気後退のリスクを冒してでもインフレを抑えるという姿勢を示したことや、8月の消費者物価指数が市場予想を上回る結果となったことから、0.75%以上の利上げ期待が高まっている。 |