前営業日トピックス
東京市場でドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。8月の米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが広がる中、時間外取引の米長期金利の低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル売りが観測されたことも圧迫要因となった。午後に入り、米長期金利がさらに低下したことから、ドルは一段の下落となった。ただ、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強まっていることから、限定的な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された8月の米消費者物価指数が市場予想を上回ったことを受けて、一段の利上げと金融引き締め長期化への思惑が高まり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、指標発表直前の141.84から144.68まで上昇した。一方、ユーロは対ドルで0.9970まで下落して再びパリティ割れとなった。
米株式市場では、米消費者物価指数が市場予想を上回ったことを受けて、FRBの金融引き締めの長期化観測が高まり、主要株価指数は大幅下落となった。ダウ平均株価は、序盤から大幅下落となり、一時前日比1362ドル安まで下落した。引けにかけて下げ幅を縮小したものの、1276.37ドル安(-3.94%)で終了した。下げ幅は2020年6月以来、約2年3ヵ月ぶりの大きさとなり、終値ベースでは7/18以来の安値となった。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米金利の上昇が影響して下げ幅を拡大し、632.84ポイント安(-5.16%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったものの、その後11円安まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の142.86から142.32まで下落した。
(2)午後に入り、米長期金利がさらに一段の低下となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円では142.05まで下落した。さらに、対円では介入を含む高値警戒感との声も聞かれた。その後は、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが強まっていたことから、限定的な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された8月の米消費者物価指数が市場予想を上回ったことを受けて、インフレ高進の長期化観測から一段の利上げと金融引き締め長期化への思惑が高まった。これを受けて、政策金利の動向に敏感な米2年債利回りは一時3.79%まで上昇して2007年11月以来の高水準、米長期金利の指標となる10年債利回りは一時3.46%まで上昇して6/16以来の高水準となり、金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、指標発表直前の141.84から144.68まで上昇した。一方、ユーロは対ドルで0.9970まで下落して再びパリティ割れとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、前日の海外市場の高値の144.68を上抜けて一時144.96まで上昇し、24年ぶりの高値となった9/7の144.99に迫る動きとなった。しかし、その後は神田財務官の円安牽制発言もあり、144.07まで下落したものの、底固い動きとなった。
本日の米国時間では、米生産者物価指数の発表が予定されており、前日の消費者物価指数が市場予想を上回ったことに反応してドル高となったことから、結果が注目されている。消費者物価指数と同様に予想外の上昇となる場合には、前日ほどの大きな反応とはならないとしても、145円台の大台乗せを試す展開も考えられる。
9/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月生産者物価指数(前年比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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8.8% | 9.8% |
前回は市場予想を下回り、2021年10月以来の低水準となった。前月比では2020年4月以来、2年3ヵ月ぶりのマイナスとなった。エネルギー価格の低下が影響し、インフレ圧力の緩和傾向が示された。今回は、前月からさらに低下が予想されており、インフレの鈍化傾向が示されると似られており、前月比では2ヵ月連続のマイナスが予想されている。 |