前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇したことや、実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、その後上昇して始まった日経平均株価が下落に転じて下げ幅を拡大したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が下落したことも加わり上値の重い動きとなったものの、その後は米長期金利の下げが一服して上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時137.24まで上昇した。一方、クロス円はドル/円の上昇に連れ高となった。米金利上昇一服後は、ロンドン・フィキシングに向けたドル売りが観測されたことや、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を控えたポジション調整の売りに押された。ただ、下値は限定的となり、終盤まで底固い動きとなった。
米株式市場では、主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったが、ダウが3営業日で約1000ドル超下落したことで、値頃感の買い戻しが優勢となった。ただ、パウエル議長の講演を控え、利上げペースを巡る発言を見極めたいとの様子見ムードから上値は限定的だった。ダウ平均株価は下落して始まったものの、その後は上昇に転じて一時前日比185ドル高まで上昇した。ただ、上値の重い動きが続き59.64ドル高(+0.18%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、50.23ポイント高(+0.41%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が上昇して始まったことも下支え要因となった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル/円は一時137.04まで上昇した。
(2)仲値通過後は、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比170円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、米長期金利が低下したことも圧迫要因となった。欧州市場では、欧州主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが欧州時間の3.018%から3.120%まで上昇し、6/29以来の高水準となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は欧州時間の安値136.17から137.24まで上昇した。
(4)米金利上昇が一服したことや、ロンドン・フィキシングに向けたドル売りが観測されたこと、さらにジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を控えたポジション調整の売りに押され、ドルは上値の重い動きとなった。ただ、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演で利上げペースを巡る発言を見極めたいとの様子見ムードから下値は限定的となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、9月のFOMCで大幅利上げの可能性が見込まれていることもあり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが約2ヵ月ぶりの高水準まで上昇するなど、米金利の上昇を受けてドルは堅調な動きとなった。
金利先物市場では、9月のFOMCで0.75%の利上げ確率は61%、0.50%の利上げ確率は39%となっており、0.75%の利上げ確率はこのところの米金融当局者のタカ派発言を受けて上昇している。このことから、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演で利上げペースを巡る発言を見極めたいとの様子見ムードがさらに強まる可能性もあるが、思惑が交錯して米金利が乱高下する可能性もあり、金利の動きにドルの動きも左右される展開も予想される。
8/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(8/20までの週) ![]()
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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25.2万件 | 25.0万件 |
前回は市場予想を下回り、3週間ぶりに減少となった。前週から小幅減少となったものの、平均的には健全な水準にあるとの見方もあるが、一時期よりも労働市場に不安が残っていることが示されている。今週は、前週から増加が予想されているが、労働者不足との見方がある一方で、米景気鈍化懸念など経済情勢に不安が残っていることから、改善には向かい難いとの見方もある。 | ||||
21:30 | 米国 |
第2四半期GDP(前期比年率) ![]()
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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-0.9% | -0.9% |
前回の速報値では、市場予想を上回るマイナス幅となり、2四半期連続のマイナスで景気後退リスクが高まったことが示された。高インフレで消費者の支出が抑制され、個人消費の伸びが縮小したことや、住宅投資が大幅にマイナスとなったことが影響した。今回の改定値では、個人消費が上方修正さると予想されていることから、マイナス幅の縮小が予想されている。 |